ミミズコンポスト

2024/12/25

ミミズコンポストで液肥を作ろう!採取方法や使い方を解説

生ごみを自然の力で分解するミミズコンポストは、手軽にエコな暮らしを楽しむことができる便利なアイテムです。

ミミズコンポストでたい肥を作ることができることはよく知られていますが、液肥も取ることができるのです。

この記事では、ミミズコンポストで液肥を作る方法をご紹介します。

ミミズコンポストで液肥も取れるって本当?

ミミズコンポストでたい肥が取れるのは知られていますが、液肥が取れるのは本当でしょうか。

結論、本当に取れます。

ミミズはぬるぬるした液体で覆われていますが、これがミミズコンポストの液肥の正体です。

このぬるぬるした液体はミミズのおしっこです。

穴のないコンポスト容器ではミミズの液肥は取れませんが、容器に穴を開けて受け皿を用意すると液肥が収穫できます。

外でミミズコンポストを運用する場合には、必ず容器に穴を開ける必要があるため、ミミズコンポストの副産品として収穫できます。

水をあげなくてもポタポタと収穫できますが、乾燥して取れない場合は、ミミズコンポストを湿らせる目的で水を与えると液肥を簡単に取ることが可能です。

特別な用意をする必要はなく、穴の開いたコンポスト容器を用意すれば、ミミズコンポストの液肥を採取できます。

ミミズコンポストで作った液肥の効果

たい肥はゆっくり地面に浸透して作用するため、効果が出始めるまで時間がかかります。

一方で、液肥なら有機であってもたい肥に比べて効果が早く出るため、植物を早く元気にさせたい場合は液肥を与えるのがおすすめです。

特にミミズコンポストで作った液肥はミミズのおしっこであり、主成分はアンモニアです。

アンモニアには、リン酸、カリウムと並んで窒素は「肥料の3要素」と呼ばれており、植物の成長にとって欠かせない窒素が多く含まれています。

窒素は茎葉の伸長を促進する栄養素であり、根から吸収される必須栄養素の中でも最も必要とされているものです。

野菜では、特に葉や茎を食用とする葉菜類の成長に窒素を多く必要とします。

適量使用すれば野菜や植物は生き生き成長しますが、与え過ぎにも注意したいところです。

窒素を与え過ぎた場合、植物の徒長を引き起こします。

葉は大きくなる一方で薄くなり、節間は長くなる一方で細くなります。

病害虫や環境変化に弱くなるため、必要な量を調節して与えましょう。

ミミズコンポストで液肥を採取する方法

ミミズコンポストで液肥を採取する方法は3つあります。

  1. 専用のコンポストを使用する方法
  2. 容器に穴を開け受け皿を置く方法
  3. ミミズコンポストたい肥を水で薄める方法

 それぞれ詳しく説明します。

専用のミミズコンポストを使用する方法

専用のコンポストを使用することで、液肥を採取できます。

例えば、「金子みすずちゃんの家」や「キャノワーム」は液肥口が付いているため、蛇口をひねるだけで液肥を採取することが可能です。

プロの容器を使ってミミズコンポストを始めたい方や、液肥をよく使いたい方には、専用の容器を使って始めるのがおすすめです。

容器に穴を開け受け皿を置く方法

あまり容器に費用をかけたくない方や、DIYでミミズコンポストを始めたい方は、用意したコンポスト容器に穴を開けて受け皿を置くのがおすすめです。

薄いプラスチック容器だと穴を開けている最中に容器が割れることがあるため、注意してください。

液肥は穴からポタポタ垂れてくるため、出てくる量をみて受け皿の大きさを決めてください。

穴から液肥が出てこない場合は、湿る程度の水を撒いて滴らせます。

外で運用する場合は、バスタブやベビーバスがおすすめです。

最初から穴が空いていて、傾斜もあるため自然と液肥が集まります。

雨の日は液肥がたくさん出てくるため、容器を大きめにしてください。

ミミズコンポストたい肥を水で薄める方法

すぐに液肥を使いたい場合は、ミミズコンポストのたい肥を薄める方法でも、液肥を作ることができます。

1Lの水に対して、大さじ2のミミズコンポストで作ったたい肥を入れます。

そのまま1日置いてから液肥として使用します。

すでにミミズコンポストを運用している方で、「容器に穴が空いていないけど、液肥を使いたい」という方は、この方法で液肥を採取することが可能です。

ミミズコンポストで採取した液肥の使い方

ミミズコンポストで採取した液肥は栄養満点です。

そのままでは濃いため、5~10倍にして薄めるとちょうど良い肥料になります。

ミミズコンポストで作った液肥の養分は窒素のため、根から吸収されます。

葉にはかけず、根にかかるように液肥を与えましょう。

液肥を薄めずに使用してしまうと、栄養過多になってしまい、植物の徒長を引き起こします。

徒長とは、植物が必要以上に間延びしてしまうことで、ひょろひょろと成長してしまうため十分な栄養を蓄えられず、花が付かなかったり実がならなかったりすることに繋がります。

必ず、ミミズコンポストで作った液肥は薄めて使うようにしましょう。

ミミズコンポストで作った液肥のメリット

ミミズコンポストで作った液肥にはメリットがあります。

  • たい肥よりも効果が早く出やすい
  • 粘度があるため効果が長持ちしやすい

それぞれ解説します。

たい肥よりも効果が早く出やすい

液肥は液体のため、根から吸収されやすく、たい肥よりも早く効果が出やすいのがメリットです。

肥料が既に水に混ざっているため、根が水を吸収するときに肥料も一緒に吸収することができます。

そのため、植物を早く成長させたい場合や、肥料の効果を実感したい場合は液肥が向いています。

元肥よりも手軽に与えられるため、定期的に肥料を与えられるのもメリットです。

粘度があるため効果が長持ちしやすい

ミミズコンポストで作った液肥は粘度があります。

ミミズの体液はぬるぬるしているため、液肥もぬるぬるしています。

粘度があるため、雨が降っても地面に残りやすく、液肥の効果が長持ちしやすいです。

市販の液肥はサラサラしているため、雨が降るとそのまま土壌から流れてしまいます。

一方で、ミミズコンポストで作った液肥は粘り気があるので、雨が降っても土壌に残って効果が続きます。

効果が長持ちしやすいのがミミズコンポストで作った液肥のメリットです。

ミミズコンポストで作った液肥のデメリット

ミミズコンポストで作った液肥にはデメリットもあります。

  • 室内では採取しにくい
  • 採取までに時間がかかる

それぞれ解説します。

室内では採取しにくい

ミミズコンポストの液肥は屋外に比べて室内では採取しにくいことが挙げられます。

室内でミミズコンポストを運用する場合、穴が空いていない容器を使いがちなのと、乾燥しやすいことが理由です。

穴が空いていない容器では液体が染み出る隙がないため、もちろん液肥を採取することはできません。

また、屋外では雨が当たるため、雨がミミズコンポストの中に入り込んで、液体を出すことができます。

室内では雨は降らないため、乾燥しやすく、液肥を採取しにくいです。

対策として、湿らせるために水を与えると液肥が染み出やすくなります。

採取までに時間がかかる

ミミズコンポストの液肥は、採取するまでに時間がかかります。

ミミズの体液が染み出てくる必要があるので、ミミズコンポストを作った直後には液が染み出ません。

時間をかけて2週間ほどは様子を見ましょう。

乾燥していそうなら水をかけてあげるのも良いです。

採取まで時間がかかるのがデメリットですが、たい肥も時間をかけて作られるため、しばらく待ってみましょう。

ミミズコンポストで液肥を作る際に注意したいこと

ミミズコンポストを運用する際に注意したいことがあります。

上手く行かないと液肥を採取できなくなるため、十分に気を付けましょう。

シマミミズを使う

ミミズコンポストを始める際には、シマミミズを使うようにしましょう。

雨の日に土から出ているミミズを見かけることがありますが、普段私たちが目にするのはフトミミズ科です。

日本にいる約80%のミミズがフトミミズ科を占めており、フトミミズは地中に潜って生活しています。

一方で、シマミミズは体長5~10cmと、フトミミズよりも小型で、地面の表層で活動します。

コンポストの表面の生ごみを分解してくれるのは、シマミミズたちです。

適当な地面からミミズを掘り起こしてコンポストに入れても分解してくれないため、使うミミズはシマミミズにしましょう。

肉や魚を入れる場合は少量にする

ミミズコンポストに肉や魚などは入れても大丈夫です。

ミミズの好物なのでミミズたちは喜びますが、害虫対策や臭い対策が難しくなります。

ミミズコンポストはもともと無臭です。

しかし、肉や魚を入れるとどうしても臭いが出てしまい、害虫が寄ってくる原因になります。

室内で運用している場合、臭いや虫の発生は大変になるため、肉や魚を入れる場合は少量にしましょう。

また、たんぱく質を過剰摂取すると、ミミズが消化不良をおこし、破裂してしまうことがあります。

細かく砕いた卵の殻や竹炭を入れることで予防することができます。

生ごみと一緒に入れてあげましょう。

入れてはいけないものを把握する

ミミズには好き嫌いがあります。

生ごみはなんでも入れてしまいがちですが、ミミズが嫌がるものまで入れてしまうと、ミミズコンポストが全滅してしまう恐れがあります。

例えば、玉ねぎなどのネギ類はミミズにダメージを与えてしまいます。

唐辛子などの刺激物も、ミミズは苦手です。

柑橘類の皮にはシマミミズにとって毒である「リモネン」が含まれます。

少量なら大丈夫と思わずに、入れる生ごみから取り除きましょう。

また、ミミズは湿った場所を好みますが、びしょ濡れは苦手です。

ジュースなどの液体を入れるとミミズがびしょ濡れになってしまい、生ごみを食べられなくなります。

腐ってしまう原因になるため、やめましょう。

シマミミズは皮膚で呼吸しているため、油は厳禁です。

ミミズの体に油が付くと呼吸できなくなってしまい、死んでしまいます。

入れてはいけないものを把握して、ミミズが生きやすい環境にしてあげましょう。

ミミズコンポストで液肥でエコな暮らしをしよう!

ミミズコンポストの液肥について、効果や採取方法を解説してきました。

ミミズコンポストは生ごみをミミズに分解してもらうため、焼却することなくゴミを減らすことができます。

生ごみを減らすだけでなく、肥料を作ることもできるため、家庭菜園で野菜を作っている方は安心して肥料を使うことができます。

家庭菜園だけでなく、ガーデニングを行っている方にも安心です。

液肥はたい肥に比べて早く効果が出やすい肥料です。

また、市販の液肥に比べて粘度があるため、地面に残りやすいという特徴があります。

植物に安心して使える液肥を選びたい場合、ミミズコンポストの液肥をおすすめします。

ミミズコンポストを使ってエコな暮らしを始めましょう。