
自宅の中で手軽にエコシステムや自然との共生を体験できるミミズコンポストですが、コンポストの中でゴミを分解してくれるミミズは、意外とデリケートで弱い生き物です。
入れるものによっては、分解できなかったりミミズを傷つけたりしてしまう可能性があるため、注意が必要です。
本記事では、ミミズコンポストに入れてはいけないものを詳しく説明しています。
これからミミズコンポストを家で始めてみたい、すでに始めているもののうまくいかない、という方はぜひ記事内容をご確認ください。
ミミズコンポストに入れてはいけないもの
ミミズコンポストの中に投入してはいけないものは、以下の通りです。
- 柑橘類
- 玉ねぎ・にんにくなどのネギ類
- 油
- 肉・魚は大量に入れない
- 唐辛子などの刺激物
- 液体
- 味付けの濃いもの
- 腐ったもの
- 硬いもの
- プラスチックが含まれるもの
- あく抜きしていないココナッツ繊維
- 消石灰や生石灰
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
柑橘類
柑橘類の皮にはリモネンという成分が多く含まれているため、ミミズにとって有害です。
リモネンはミミズの皮膚を刺激し、ひどくすると、死んでしまう可能性があります。
また、柑橘類の強い香りはミミズとって強いストレスがかかります。
コンポスト内の環境が悪化する原因にもなるため、柑橘類を投入しないようにしましょう。
玉ねぎ・にんにくなどのネギ類
玉ねぎやニンニクなどのネギ類には、硫化アリルなどの刺激成分が含まれています。
硫化アリルはミミズの皮膚を刺激する成分を含んでおり、ミミズを傷つける可能性があるため注意が必要です。
ネギ類の中でも、特に玉ねぎとの相性は悪いため、避けるべきです。
ネギ類に含まれる成分と匂いによって、ミミズの健全な生育は阻害され、コンポストの環境悪化にも繋がる可能性があります。
油
油を含んだ食品やゴミはコンポストに入れないようにしましょう。
油と水は混ざりにくく微生物の分解を阻んでしまう可能性があります。
また、油がコンポストの中に入ってしまうと、ミミズの呼吸を妨げたり油がミミズを覆ってしまい自由に動けなくさせたりする原因になってしまいます。
油が腐敗すると悪臭の元となり、コンポストそのものの環境を悪化させてしまい、余計な害虫まで呼び込んでしまう可能性もあるため、注意が必要です。
肉・魚は大量に入れない。
ミミズコンポストに肉や魚(骨は食べませんが、内臓はOKです)を入れても大丈夫ですが、たくさん入れると問題が起きます。
それは、肉や魚を入れ過ぎてしまうと腐敗臭が発生したり、害虫が集まったりする問題が起きる可能性があります。
ミミズが全部食べてしまえる量に調整してコンポストに入れるようにしてください。
肉や魚をミミズコンポストに入れると、堆肥に窒素がふくまれるようになるのでいい堆肥ができます。量には注意して少しずつ入れていきましょう。
唐辛子などの刺激物
唐辛子に含まれるカプサイシンはミミズにとって、強烈な刺激物です。
ミミズは皮膚呼吸をしているため、強烈な刺激を受けると皮膚呼吸の妨げとなり、最悪の場合、死んでしまう可能性もあります。
さらに、唐辛子などの刺激物は、コンポスト内の微生物の動きを阻害するため、分解を遅らせる原因になることも。
ミミズが快適に生活できる環境を整えるためにも、コンポストの中に唐辛子などの刺激物は入れないようにしましょう。
液体
ミミズは湿った環境を好みますが、液体を大量に投入すると息ができなくなって窒息してしまいます。
また、液体はコンポスト内の温度や湿度を一気に変化させてしまうため、微生物の動きを阻害してしまう要因にもなります。
特に、油や洗剤、アルコールを含む液体をコンポストに入れるのは厳禁です。
ミミズが死んでしまったり、コンポスト内の環境が著しく悪化してしまったりする恐れがあるため、避けましょう。
味付けの濃いもの
味付けの濃いものに多く含まれる塩分や化学調味料、糖分はミミズにとって有害です。
塩分や化学調味料、糖分などの成分は、ミミズの体液の浸透圧を変化させてしまい、脱水症状を引き起こす原因にもなりかねません。
味付けの濃い食品は腐りやすいため、次から次に投入していると悪臭の原因となり、ハエなど余計な害虫を呼び込んでしまう原因にもなります。
腐ったもの
腐ったものはすでに微生物による分解が完了しつつあります。
ミミズにとっては栄養価が低いだけでなく、有害物質を含んでいる可能性も考えられます。
また、微生物のバランスが不安定になり、悪臭の原因となることも。
ミミズコンポストを健全に維持しつつ、ミミズが快適に生活できる環境を整えるためにも、腐ったものは投入しないようにしましょう。
硬いもの
硬いものはミミズにとって消化しにくく、分解に時間がかかります。
また、ミミズが硬いものを間違えて食べてしまうと、体を傷つけてしまう可能性も考えられます。
硬いものの中でも、消化できない金属などの物質は体内に蓄積され、ミミズの健康を害してしまう可能性が高いです。
ミミズが快適に生活できる環境を整えるためにも、硬いものは入れないようにしましょう。
プラスチックが含まれるもの
プラスチックはミミズが消化できない物質です。
コンポストの中に入れても分解されません。
それどころか、コンポストの中にプラスチックが残り続けると、ミミズの生育を阻害するだけでなく、堆肥にも悪影響を及ぼしてしまいます。
プラスチックは農作物や土壌に悪影響を与えるため、畑や庭で利用する堆肥としては不適切です。
あく抜きしていないココナッツ繊維
ココナッツ繊維は、ヤシの実の殻から作られる天然素材ですが、アク抜きをしていないココナッツ繊維には、タンニンや塩分などの成分が多く含まれています。
タンニンや塩分は、ミミズにとって生育を阻んでしまうほど有害なものです。
タンニンはミミズの皮膚を刺激し、食欲不振や消化不良を引き起こす原因となり、塩分はミミズの体内の水分バランスを崩してしまい、脱水症状の原因となります。
消石灰や生石灰
消石灰や生石灰は、水酸化カルシウムや酸化カルシウムでできており、いずれも強いアルカリ性を示す物質です。
ミミズは中性から弱酸性の環境に最適化されており、アルカリ性の強い物質とは相性が悪くなっています。
アルカリ性の強い物質は、ミミズの体液のpHを大きく変化させてしまい、体調不良や死亡の原因となります。
また、消石灰や生石灰はコンポストの中の微生物の活動を阻害してしまい、分解を遅らせる可能性もあるため、入れてはいけません。
ミミズコンポストに入れても良いもの
コンポストの環境維持と微生物の活性化のために、コンポストに積極的に投入したい生ゴミや素材は以下の通りです。
- 果物や野菜の皮・切れ端
- 卵の殻を細かくしたもの
- 段ボールや新聞紙を細かくしたもの
- コーヒーかす
それぞれ詳しく見ていきましょう。
果物や野菜の皮・切れ端
果物や野菜の皮・切れ端は柔らかいものが多く、ミミズや微生物の活性化に必要とされる炭水化物やビタミン、ミネラルなどの栄養分が多分に含まれています。
炭水化物やビタミン、ミネラルによってコンポスト内の微生物が活発に活動することで、分解プロセス全体が効率的に進むようになります。
卵の殻を細かくしたもの
卵の殻は、主成分が炭酸カルシウムで構成されているため、ミミズにとって貴重なカルシウム源です。
カルシウムはミミズの消化をサポートし、微生物を活発化させます。
また、卵の殻は酸性になりがちなコンポストの中のpHを中和する効果も持ち合わせています。
ミミズは中性から弱酸性の環境を好むため、pH調整はコンポスト内の平穏を保つために重要な栄養素です。
段ボールや新聞紙を細かくしたもの
ダンボールや新聞紙などの紙類は、適度な湿度と通気性を維持することに優れており、ミミズが隠れ家として使うのにも最適です。
セルロースを主成分とする紙類は、微生物によって分解されやすい性質も持っています。
そのため、ミミズが紙類を細かく分解することによって、微生物の分解がより促進される相乗効果も期待できます。
また、炭素を多く含む紙類の投入によって、コンポスト内の炭素と窒素をちょうど良いバランスにすることが可能です。
その結果、炭素を栄養源とする微生物がより活発に活動できるようになります。
コーヒーかす
コーヒーカスには、ミミズの成長と繁殖に必要とされる窒素やカリウムなどの栄養素が含まれています。
微生物によって分解されやすい素材でもあるため、コンポスト全体の分解を促進する効果も期待できます。
消臭効果もあるため、臭いが気になる方にもおすすめできるものです。
ミミズコンポストに生ごみ・エサを与える時に注意すべき3つのこと
ミミズコンポストにエサを与えるときに注意すべきポイントは以下の3つです。
- ミミズコンポストを立ち上げて1週間はエサを与えない
- できるだけ細かくして与える
- 夏は冷凍して与える
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
その1:ミミズコンポストを立ち上げて1週間はエサを与えない
基本的に最初の1週間はエサなしで様子をみます。
理由は、以下の2つです。
・ミミズに急激な環境の変化を与えてしまうと逃げてしまうから
・いきなり大量のエサを与えると、分解が追いつかずコンポスト内の環境が悪化してしまうから
そのため、まずは新しい環境に慣れさせることを優先しましょう。
そして、微生物を床材に定着させ、活性化を促しましょう。
その2:できるだけ細かくして与える
ミミズがエサを噛み砕いて消化するまでには、それなりの時間とエネルギーを消費するため、最初から細かく砕いたエサを与えると、ミミズのエネルギー温存と消化の促進に役立ちます。
また、エサが大きすぎるとコンポストの中で腐敗が進みやすく、悪臭の原因にもなります。
衛生環境の維持のためにも、できるだけ細かくしたエサを投入しましょう。
しかし、エサが細かすぎるとミミズがエサを掴みにくくなるデメリットもあります。
細かくするものの、微粒状になるまでエサを砕かないようにしましょう。
その3:夏は冷凍して与える
冷凍したエサは、解凍される段階で組織が壊れるため、ミミズが消化しやすい状態になります。
特に硬い野菜や果物の皮は、冷凍した方がミミズの消化に良いとされています。
冷凍したものを与えることの効果は、その他にも、コンポスト内の湿度維持、暑い時期の腐敗防止などがあります。
ここで注意したいのは、冷凍したエサを与える場合は、解凍してから与える必要があるということです。
冷凍したまま与えてしまうとミミズの体を傷つけてしまうため、必ず解凍してから与えるようにしましょう。
ミミズコンポストに関するよくある質問
ミミズコンポストに関するよくある質問を2つ紹介します。
入れてはいけないものを入れてしまったらどうする?
入れてはいけないものを間違えて入れてしまった場合は、まず取り除きます。
可能な限り手作業で取り除きましょう。
細かいエサを取り除く時は、お箸やピンセットを使うと便利です。
大量に投入してしまった場合は、ミミズを丸ごと別の容器に移し替えて、床材を新しいものに取り替えます。
取り除いた後は、しばらくの間はミミズの動きが悪くなっていないか注意深く観察しましょう。
ミミズが処理できる生ごみの量は?
一般的にミミズが1日に処理できる生ゴミの量は、自分の体重の半分から約同程度とされています。
0.5gのミミズなら1日に0.25〜0.5g程度の生ゴミを処理できる計算です。
コンポストの中に約1kg(約2,000匹)のミミズを投入すると考えると、1日に分解できる生ゴミの量は約500g〜1kgと想定できます。
実際には計算通りにいかないこともあるため、最初は少ない生ゴミから始めた方が良いでしょう。
入れてはいけないものを把握してミミズコンポストを成功させよう!
ミミズはデリケートな生き物です。
入れてはいけないものをしっかり把握した上で、健全にコンポストを管理していきましょう。
日常生活で出るゴミの中では、特に加工食品や柑橘系、刺激の強い食材、魚や肉などに気をつけたいところです。
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