近年、家庭で出る生ごみを環境にやさしい方法で処理する手段として「ミミズコンポスト」が注目を集めています。
ミミズの力を借りて生ごみを分解し、栄養豊富なたい肥に変えるこの方法は、自然循環に基づいた持続可能な取り組みのひとつです。
しかし、いざ始めようとすると容器やミミズの購入費が必要になるため、「費用がかかりそう」と二の足を踏む方も少なくありません。
そこで気になるのが、ミミズコンポストに補助金や助成金が出るのかという点です。
この記事では、ミミズコンポストに対して補助が受けられるのかをわかりやすく解説し、地域別の実例や、申請の際に気をつけるべきポイントもご紹介します。
初期費用を抑えて、エコな暮らしを始めたい方はぜひ参考にしてください。
ミミズコンポストに補助金・助成金は出る?

ミミズコンポストに対して補助金や助成金が出るかどうかは、自治体によって大きく異なります。
一部の自治体では「家庭用生ごみ処理容器購入補助」や「コンポスト導入支援」といった名目で、ミミズコンポストも対象として補助金が交付されています。
たとえば、電動生ごみ処理機の購入と同列に扱われるケースや、「ミミズを使った処理容器」という条件で対象となる場合があります。
ただし、すべての自治体がこの取り組みを支援しているわけではなく、補助の有無や条件は地域ごとに異なります。
したがって、自分が住んでいる地域でミミズコンポストが補助対象かどうかを事前に確認することが重要です。
自治体のホームページで「生ごみ処理機 補助金」などのキーワードで検索すると、該当ページが見つかることが多いです。
【地域別】ミミズコンポストに補助金・助成金が出る自治体
ご自身のお住まいの地域でミミズコンポストに助成金が出るかどうかは、以下のサイトで知ることができます。
▶︎家庭⽤⽣ごみ処理機 ミミズコンポスト(⾦⼦みみずちゃんの家)全国市町村別助成⾦額⼀覧
全国の一部の自治体では、ミミズコンポストに対して補助金・助成金を交付しています。
ただし、その内容は自治体ごとに異なり、補助金額や条件も様々です。
以下に、2025年4月現在で補助制度が確認できる主な自治体の情報を紹介します。
秋田県横手市
秋田県横手市では、電動機能を有しない生ごみ処理機に対する補助金で、一般的なコンポストの他、ミミズを使ったコンポストや、段ボールなどを使った自作のコンポストの材料費に対しても補助金を交付しています。
補助額は、購入価格の2分の1以内(100円未満切り捨て)で、限度額は5,000円(税込額)です。
購入前の事前申請が必要です。
福島県福島市
福島県福島市では、コンポスト容器(ミミズコンポスト容器も含む)を購入した方に向けて助成金を給付しています。
助成対象者は以下の通りです。
- 市内に住所を有し、かつ、居住していること
- 容器を設置することができる敷地を有し、適切に維持管理できること
- 堆肥化された生成物または減量化された生ごみを自己の責任で処理できること
容器以外の薬剤やぼかし等の購入品は対象になりません。
オークション、個人売買で購入した物や自作のもの、中古品の購入品も助成対象外です。
助成額は容器購入額の2分の1で、5,000円を限度(100円未満は切り捨て)としています。
年度内1世帯1基まで申し込むことが可能です。
茨城県常陸太田市
茨城県常陸太田市では、ミミズコンポストを購入した方を対象に助成金の給付を行っています。
補助対象者は次のすべてに該当する方です。
- 市内に住所を有している方
- 生ごみ処理容器等で生ごみを堆肥化したものを自家処理できる方
- 過去5年以内に交付を受けていない方
助成金額は、税抜き購入価格の2分の1以内(100円未満切り捨て)で、上限は1基あたり3,000円です。
補助基数は1世帯あたり2基までです。
購入した日から1年以内に、申請書に必要事項を記入し、次の書類等を添えて申し込みが必要です。
- 領収書(発行日から1年以内のもので、日付・生ごみ処理容器等であることがわかる商品名・メーカー名・型式等が記載され、購入者の氏名・購入価格・購入数量・発行者の住所と社名の記載があるもの)※レシートは不可
- 申請者の預金通帳
東京都足立区
東京都足立区ではコンポスト化容器を購入した際に、補助金を交付しています。
補助金額は、生ごみ処理機・コンポスト化容器の税抜き本体価格の3分の2です。
消費税や付属物、微生物などの消耗品は対象となりません。
100円未満は切り捨てとし、補助金額の上限は30,000円です。
利用できる方は以下の条件にすべて該当する方です。
- 機器を購入した日以前から区内に引き続き住所を有し、自ら居住する区内の住宅に機器を設置した区民の方
- 家庭から出る生ごみ減量の目的で使用し、自分で維持管理ができること
- ディスポーザー式でない機器を購入設置していること
- この補助金の交付を5年以内に受けていないこと(1世帯1台まで)
- 機器の使用状況について、報告書を提出できること
- 機器を購入後、6か月を経過していないこと
購入される機器について、中古品・個人売買品・転売品は補助金の対象とならないので注意してください。
長野県松本市
長野県松本市ではごみ減量機器購入費補助金を実施しています。
補助対象となるのは、ディスポーザや落ち葉・剪定木破砕処理機、ボカシ容器・コンポスターです。
中古品や個人間の売買により購入した物や、自作した場合の材料費は補助対象となりません。
補助対象経費は、機器本体の購入金額が4,000円以上のものです。
配送料、手数料、機器設置費用、たい肥化促進剤等の付属品の購入に要する経費は補助対象になりません。
補助金はコンポスターについては購入金額の3分の2以内とし、補助限度額は15,000円です。
1世帯につき2台まで補助してもらえます。
愛知県長久手市
愛知県長久手市では生ごみ処理機等購入費補助金を実施しています。
生ごみたい肥化容器(コンポスト容器)は生ごみの減量・たい肥化を目標とする容器で、悪臭・害虫等を発生させない構造・材質の物に限ります。
初期費用のみ補助対象で、維持にかかる消耗費、電気代、材料費は対象になりません。
1世帯につき2基まで補助してもらうことができます。
購入価格(消費税含む)の2分の1(100円未満切り捨て)の額を補助してもらうことができ、1基につき3,000円を上限とします。
補助対象者は、市内に住所がある方で、市税の滞納が無く、日本国内の販売店から生ごみ処理機等(中古品を除く)を購入した方です。
滋賀県大津市
滋賀県大津市では、生ごみ処理機等の購入に対する補助金を実施しています。
補助金の交付申請ができる方は以下の通りです。
- 大津市に住所を有し、かつ居住している者
- 大津市の区域内で利用する者
- 処理機等を設置することができる場所を有する者
- 処理機等を適切に管理できる者が同一の世帯に属している者
- 堆肥化した物を有効に活用できる者が同一の世帯に属している者
- 過去6年以内に補助金の交付を受けていない者
補助交付額は、コンポスト容器1個当たりの購入額(消費税含む)の2分の1(100円未満切り捨て)です。
ただし、1個につき4,000円を限度額とし、コンポスト容器は1回の申請で2個までを対象とします。
広島県東広島市
広島県東広島市では、生ごみ処理容器等設置助成金を実施しています。
補助を受け取れる対象者は以下の通りです。
- 市内に住所を有する世帯主であること
- 購入し、自宅に設置した生ごみ処理容器等により生成された物を、自己の責任において適正に処理することができること
- 納期限が到来している市税(その延滞金を含む。)の滞納がないこと
助成額は購入価格(税込み)の2分の1以内(100円未満切り捨て)で、限度額は10,000円です。
生ごみ処理容器本体以外の費用(ポイント利用額や送料等)は助成対象に含まれません。
購入前に助成対象であることをよく確認してから購入してください。
購入後、助成金の申請に必要な書類を揃えて、購入から1年以内に申請してください。
鹿児島県南九州市
鹿児島県南九州市では、生ゴミ処理機購入補助を実施しています。
対象者は南九州市に住所を有する方です。
補助の対象は、電動生ごみ処理機および生ごみ処理容器で、購入金額の2分の1が補助額となります。
限度額は20,000円です。
必要書類は以下の通りです。
- 生ごみ処理機等購入補助金交付申請書兼請求書(第1号様式)
- 同意書(市税等の滞納確認のための同意書。世帯全員の住所、氏名、捺印が必要です。)
- 生ごみ処理機等の領収書(宛名等が入った領収書をお願いします。(写し可))
- 生ごみ処理機については、型番・仕様の確認できる書類及び設置状況の確認できる写真
- 補助金振込先の通帳の写し
補助金を受け取るためのポイントと注意点

補助金制度をうまく活用するには、いくつかの大切なポイントを押さえておく必要があります。
制度には細かな条件があることが多いため、油断すると申請が通らないケースもあります。
とくに注意したいのは、購入時期や申請手順、必要書類の内容です。
これらを事前に理解しておくことで、スムーズに補助金を受け取ることができるでしょう。
ここからは、補助金申請時の具体的な注意点を詳しく解説します。
事前申請が必要なケースもある
補助金制度の中には、購入「前」に申請を行うことを条件としている自治体もあります。
「事前に申請書を提出し、承認が下りてから購入すること」という条件がある場合、うっかり先に商品を購入してしまうと補助の対象外となってしまいます。
このようなケースを避けるためにも、購入前に自治体の公式サイトを確認し、補助金制度の申請フローを把握しておきましょう。
どうしても分からない場合は、環境課などの担当部署に直接問い合わせるのが確実です。
領収書や写真の提出が必要になる
補助金を申請する際には、購入金額や使用状況を証明するための書類や画像の提出が求められることがあります。
たとえば、以下のような資料が必要になることが多いです。
- 購入時の領収書またはレシート(原本またはコピー)
- 設置後の容器の写真(使用状況がわかるもの)
- 製品の仕様が分かるパンフレットやWebページの印刷
これらの書類が揃っていないと申請が受理されないことがあるため、購入時には必ずレシートまたは領収書を保存し、設置後は忘れずに写真を撮っておきましょう。
自治体によっては、レシートは不可で領収書のみ可能なところもあるので、事前に必ず確認してください。
また、自治体によってはデジタル申請が可能なところもあり、画像や書類をオンラインで提出できる場合もあります。
事前に確認しておくとスムーズです。
補助の対象製品に制限がある
補助制度の中には、「指定された製品・容器のみが対象」という条件が付いているケースもあります。
つまり、どんなコンポスト容器でもいいわけではなく、自治体があらかじめ認定・推奨している製品に限られることがあるのです。
たとえば、「販売業者が国内に所在すること」「容器にフタと通気口がある構造であること」といった細かい条件が定められている場合もあります。
購入前に、補助対象となる製品や条件をしっかり確認し、自分が買おうとしている商品がその条件に合致しているかをチェックしましょう。
対象外の商品を買ってしまうと、せっかくの補助金が受けられないことになってしまいます。
補助金の予算枠に注意する
補助金制度は、年度ごとに予算が設定されており、その枠が埋まると受付が終了することがあります。
とくに人気のある自治体や、補助金額が高い自治体では、年度の早い段階で予算上限に達することも珍しくありません。
たとえば、4月の新年度が始まってすぐに募集を開始し、5月や6月にはすでに終了してしまうケースもあります。
こうなると、たとえ条件を満たしていても補助金は受け取れなくなってしまいます。
ミミズコンポストを導入したいと考えている方は、できるだけ早めに情報をチェックし、制度が始まったタイミングで申請の準備を進めることが大切です。
助成金をうまく使ってミミズコンポストを始めよう!
ミミズコンポストは、家庭で手軽に始められるエコな取り組みでありながら、環境への効果も高い方法です。
しかも自治体によっては、こうした取り組みを後押しするための補助金・助成金制度が用意されています。
制度の有無や内容は地域によって異なるため、まずは自分の住んでいる市区町村の公式サイトで情報を調べるところから始めてみましょう。
早めに申請すれば、思っていたよりも安く、気軽にミミズコンポストを始められるかもしれません。
助成金をうまく活用しながら、地球にもお財布にも優しいライフスタイルを実現していきましょう。