
プランターを使って、シマミミズなどの堆肥づくりに適したミミズと微生物の働きで、生ごみの一部をたい肥にできます。手持ちの容器を活用できる一方、排水や通気、虫の侵入、ミミズの脱走には気を配る必要があります。
この記事では、用意するもの、設置の手順、餌や水分の管理方法を紹介します。容器や床材、購入したミミズに説明書がある場合は、その案内を優先してください。
プランターで作る前に用意するもの
- 設置場所に合うプランターと受け皿
- 排水口から床材が流れ出ないようにするネット
- 虫を防ぎながら通気を保てる上部のネットやふた
- ミミズ用の床材(ココナッツ繊維など)
- コンポスト用として入手したシマミミズ
- 床材の表面を覆う紙や段ボールなど
床材は製品の説明に従って準備します。釣り餌として販売されているミミズや庭で見つけたミミズは、コンポストに適した種類とは限らないため、種類を確認せずに投入しないでください。屋外に置く場合は、直射日光や強い雨を避けられる場所を選びます。
プランターの選び方
プランターは、床材を入れる余裕があり、排水の状態を確認しやすく、上部を覆いやすいものを選びます。浅い容器は乾きやすく、深い容器は中の状態を確認しにくいことがあるため、設置場所と手入れのしやすさで選びましょう。受け皿に水がたまったままにならないよう、排水を確認できる構造にします。
プランターでミミズコンポストを作る5ステップ
STEP1:排水口と受け皿を確認する
排水口から床材やミミズが流れ出ないよう、必要に応じてネットを取り付けます。ネットで排水口を塞いで水が抜けにくくならないかも確認してください。受け皿は排水の量を点検できるようにし、水がたまったらそのまま放置せず取り除きます。
STEP2:床材を準備する
ココナッツ繊維を使う場合は、製品の説明に従って水で戻します。水分の目安は、手で握ると軽くまとまり、水が滴らない程度です。乾いている場合は少しずつ水を足し、底に水がたまるほど濡らさないようにしましょう。
ココナッツ繊維は主にミミズが過ごす床材で、それだけで十分な餌になるとは限りません。床材の表面に乾燥防止用の紙や段ボールを重ねる場合も、濡れたまま放置せず、状態を見て交換してください。
STEP3:ミミズを入れる
床材を整えてから、コンポスト用のシマミミズを入れます。投入する量は容器の大きさやミミズの状態に合わせ、販売元や容器の説明に従いましょう。設置直後は直射日光や高温を避け、ミミズが床材に潜って落ち着くか様子を見ます。
STEP4:生ごみを少量から入れる
ミミズが落ち着いたら、野菜くずなど容器の案内で投入できる生ごみを少量から与えます。生ごみは小さく切って床材に埋めるか、床材をかぶせて虫が寄りにくいようにします。前に入れた餌がほとんど分解されてから次を追加し、食べ残しがある場合は量を減らしましょう。
肉・魚、油分や塩分の多いもの、乳製品、調理済み食品は入れないでください。柑橘類やネギ類も避けるのが無難です。容器やミミズの説明で避けるよう指定されている食品があれば、その指示に従います。
STEP5:上部を覆い、置き場所と状態を点検する
ネットやふたで開口部を覆うときは、ミミズや虫が通る隙間を減らしつつ、通気を確保します。容器は直射日光や強い雨を避け、風通しのよい場所に置きましょう。
ミミズが過ごしやすい温度の目安は15〜25℃です。おおむね10〜28℃の範囲で活動しますが、30℃を超えると弱りやすく、35℃前後以上では命に関わるおそれがあります。床材は、握ると軽くまとまり、水が滴らない状態を保ちます。乾燥、水浸し、餌の入れすぎがないか定期的に確認してください。
床材のpHは6〜8が目安です。石灰を習慣的に加えるのは避け、必要な場合は床材の状態を確認し、容器の説明に沿って管理します。床材を混ぜる場合は、容器の説明で禁止されていないことを確かめ、週1〜2回を目安に軽くほぐす程度にします。毎日、全体を強くかき混ぜる必要はありません。
プランターで作るメリット
手持ちの容器や置き場所に合わせられる
すでにプランターを持っていれば活用でき、設置場所に合わせて大きさや形を選べます。ただし、ネットや床材、受け皿なども必要になるため、専用容器より必ず安く済むとは限りません。
排水の状態を確認しやすい
底穴と受け皿があると、余分な水が出ていないか点検できます。一方、床材が乾きすぎたり、受け皿に水がたまったりすることもあるため、定期的な確認は必要です。
受け皿に出た液体は「ミミズの尿」ではなく、必ずしも植物に使える液肥でもありません。用途が確認できない排水は、薄めて植物にまくのを避けてください。
プランターで作る際の注意点
虫や臭いへの対策が必要
餌を一度に多く入れたり、表面に長く残したりすると、臭いや虫の発生につながります。餌は床材に埋め、少量ずつ与えましょう。臭いが強いときは餌の追加を止め、食べ残し、水分過多、通気不足を確認します。
たい肥を取り出す際にミミズを分ける必要がある
単一のプランターでは、できあがったたい肥を取り出すときに、ミミズや未分解の餌を分ける作業が必要になる場合があります。容器の説明に沿って取り出し、ミミズを傷つけないようにしましょう。日々の管理で全体を毎日かき混ぜる必要はありません。
脱走と水分の変化を見守る
ミミズが外へ出てくるときは、開口部や排水口の隙間に加え、高温、床材の乾燥や過湿、餌の入れすぎがないか確認します。ネットやふたは通気を保ちながら隙間を減らし、直射日光や強い雨を避けて管理します。
植物との同居は慎重に考える
植物を植えたプランターとコンポストを兼ねると、植物への水やりとミミズの床材に必要な水分が合わないことがあります。初めて作る場合は、植物とは別の容器でミミズコンポストを管理すると、餌や排水の状態を確認しやすくなります。
よくある質問
生ごみはいつから入れればいい?
ミミズが床材に潜って落ち着いたら、野菜くずなどを少量から入れます。「設置後1週間は食べない」と一律に決めず、餌の残り具合を見て次の量を調整しましょう。前の餌が残っている間は追加を控えます。
どのくらいの量・頻度で入れればいい?
処理できる量は、ミミズの数や温度、餌の種類、床材の状態によって変わります。「ミミズ500gなら毎日250g」と固定せず、最初は少量を入れ、食べ残しがほとんどなくなってから少しずつ増やしてください。肉・魚など避ける食品は入れないようにします。
設置方法の参考資料として、農業経営研究所「家庭用ミミズコンポスト設置の仕方」もご覧ください。実際の餌の量は、資料の数値だけで決めず、使用する容器とミミズの状態に合わせて調整しましょう。
専用容器を検討する場合
プランターの排水や虫・脱走への対策が難しい場合は、専用容器も選択肢です。ミミズコンポストセット「金子みみずちゃんの家」を検討する方は、商品ページでセット内容や使用方法をご確認ください。
専用容器でも、餌の量、床材の水分、置き場所の確認は必要です。容器を替えるだけで必ず成功するわけではありません。説明書に従い、ミミズの様子を見ながら管理しましょう。
まとめ
プランターでミミズコンポストを始めるときは、排水・通気・脱走対策を確認し、床材の水分と温度を保ちながら、生ごみを少量ずつ与えます。餌の残りやミミズの様子を見て量を調整し、受け皿の液体を液肥と決めつけずに管理しましょう。