竹炭販売コラム

2025/7/3

竹酢液の作り方と使い方を解説、家庭菜園での希釈倍率や注意点も紹介

1)竹酢液の作り方

竹酢液(ちくさくえき)は、竹を炭焼き窯で焼いて竹炭を作るときに出る煙を冷やして集めた液体です。独特のいぶしたような香りがあり、家庭菜園や農業で、虫を寄せにくくする忌避や、病気の予防的散布、土づくりのサポートに使われています。

この記事では、竹酢液ができるしくみと製造工程、家庭菜園での使い方と薄め方、使うときの注意点、木酢液との違いを紹介します。

2)竹酢液の基本とその魅力

竹酢液の主な成分は、水と酢酸などの有機酸で、そのほかに煙由来のさまざまな成分が含まれています。天然素材の竹から作られるため、化学農薬をできるだけ使いたくない家庭菜園や、有機栽培・特別栽培の農家さんに選ばれています。

竹酢液は、害虫を殺したり、病気を治したりする農薬ではありません。独特のにおいで虫を寄せにくくしたり、病気が出る前に予防的に散布したり、土の中の微生物の働きをサポートしたりする資材として、薄めて使います。

竹酢液とは何か

竹を炭焼き窯に入れて蒸し焼きにすると、竹から水分やさまざまな成分が煙となって出てきます。この煙を冷やすと液体になり、これを集めたものが竹酢液の原液(粗竹酢液)です。

集めたばかりの液には、タールや油分も混ざっています。そのため、長い期間静かに置いて層を分け、ろ過などをして、農業や暮らしに使える竹酢液に仕上げます。木を焼いて同じように作ったものが「木酢液」です。

3)竹酢液の作り方

竹酢液は、「竹を炭にするときに出る煙を集めて冷やす」ことで作られます。竹炭を水に浸けても、竹酢液にはなりません。

竹酢液を作るには、煙を集めるための煙突や冷却装置が付いた炭焼き窯が必要です。また、集めた液からタールなどを分けるために、数か月以上置いておく必要があります。焚き火では煙を集められないため、家庭で作るのはとても難しく、火や煙の取り扱いにも危険がともないます。家庭菜園で使う場合は、品質が管理された市販の竹酢液を選ぶのがおすすめです。

必要な材料と準備

炭焼き窯で竹酢液を作る場合は、主に次のものが必要になります。

・よく乾燥させた竹
・煙突が付いた炭焼き窯
・煙を冷やして液体にするための冷却用の筒(竹筒や金属管など)
・液体を受ける容器
・液を静かに置いておくための保管容器

煙や火を大量に扱うため、周囲に燃えやすいものや住宅がない場所で行い、自治体の野焼きに関するルールも確認する必要があります。

竹の収集と選別

竹酢液や竹炭には、3〜5年ほど育った孟宗竹(もうそうちく)がよく使われます。若すぎる竹は水分が多く、古すぎる竹は質が落ちるため、しっかり育った健全な竹を選びます。

切った竹は、そのままでは水分が多いため、焼く前に長い期間かけて乾燥させます。竹がよく乾いているほど、窯の温度が安定し、質の良い竹炭と竹酢液ができます。

竹を炭にする過程

乾燥させた竹を窯に詰め、火を入れます。窯の中は空気を少なくして、竹が燃え尽きずに蒸し焼きになるように調整します。

焼き始めると、煙突から白っぽい煙がたくさん出てきます。この煙に、竹酢液のもとになる成分が含まれています。温度が上がって煙の色が青っぽく、透明に近づいてくると炭化が進んだ合図です。焼き終わったら窯を閉じ、時間をかけてゆっくり冷ましてから、竹炭を取り出します。

竹酢液の抽出方法

竹酢液は、炭焼きの途中で煙突から出る煙を、冷却用の筒に通して冷やし、液体にして集めます。一般的には、煙の温度がおよそ80〜150℃くらいのときに集めた液が、竹酢液に向いているとされています。

集めた液は、容器に入れて数か月以上静かに置いておきます。すると、上から軽い油の層、赤褐色の竹酢液の層、黒いタールの層の3つに分かれます。真ん中の竹酢液の層だけを取り出し、ろ過したり、蒸留したりして、使いやすい竹酢液に仕上げます。

参考として、当社(株式会社 農業経営研究所)が扱う竹酢液「孟宗竹の煙」の製造工程を紹介します。

①山梨県身延町産の孟宗竹を、約30cmの長さに切ります。
②含水率を確認しながら、約2か月かけて天日乾燥します。
③燻煙窯で15日間乾燥し、建込燃焼を800℃で20日間行った後、窯から出します。
④さらに約1週間、天日で乾燥させます(異物の除去、水分の調整)。
⑤乾燥した竹をすき間なく土窯に詰め、約800℃で3〜4日かけて焼きます。このときに出る煙を冷やして集めます。
⑥約10日間かけて、窯をゆっくり冷まします(焼き上がった炭は竹炭製品になります)。
⑦集めた液を3か月以上静かに置き、上層の軽い油、中層の竹酢液、下層のタールの3層に分けます。
⑧中層の竹酢液を取り出して、ろ過します。
⑨減圧で蒸留・精製を行います。
⑩ボトルに詰めて完成です。

4)竹酢液の効果的な利用法

竹酢液は、必ず水で薄めて使います。家庭菜園では、次のような使い方が一般的です。

・害虫の忌避:葉の表と裏に散布して、虫を寄せにくくする
・病気の予防的散布:病気が出る前から定期的に散布する
・土づくりのサポート:植え付け前の土に散布する
・生育のサポート:水やりの水に少量加える

竹酢液は肥料ではないため、栄養を補うには別に肥料が必要です。

農業における使用方法

野菜や果樹、花に使うときの薄める倍率の目安は、次のとおりです。

・病気の予防(葉や茎への散布):200〜300倍
・害虫の忌避(葉の表と裏への散布):100〜200倍
・土づくり(植え付け前の土への散布):200〜500倍
・生育サポート(水やりの水に加える):1,000〜2,000倍

例えば200倍に薄める場合は、水1Lに竹酢液5mLが目安です。製品の表示がある場合は、そちらを優先してください。

散布は、週に1回くらいを目安に、朝や夕方の涼しい時間に行いましょう。効果は長く続かないため、雨の後にはもう一度散布すると安心です。石灰硫黄合剤などのアルカリ性の資材とは混ぜないでください。竹酢液を使った虫対策は、竹酢液の虫対策の記事でも詳しく紹介しています。

生活環境の改善

竹酢液は、生ごみのにおいが気になるときにも使われています。500〜1,000倍くらいに薄めた液を、生ごみ入れのまわりなどに吹きかけると、気になるにおいをやわらげるのに役立ちます。

ただし、竹酢液そのものにも独特のいぶしたような香りがあります。室内で使う場合は、少量から試しましょう。布や白い壁などに付くと、色がついたり、においが残ったりすることがあるので注意してください。

ペットや家畜のケア

ペットのいる部屋や、家畜小屋のにおいが気になるときに、薄めた竹酢液を床や周辺に使う方法があります。

ただし、ペットや家畜の体に直接吹きかけたり、なめさせたりしないでください。動物は人よりにおいに敏感なため、嫌がる様子があればすぐに使うのをやめましょう。皮膚のトラブルなど体の不調がある場合は、竹酢液を使わずに獣医師に相談してください。

肌への使用や飲用について

この記事で紹介している農業用・園芸用の竹酢液は、飲んだり、肌に直接つけたりするためのものではありません。絶対に飲まないでください。

また、竹酢液に病気を治したり、体の毒素を出したりする効果があるわけではありません。入浴用など、体に使う目的で作られた竹酢液製品もありますが、その場合も製品の表示を守って使い、肌に異常を感じたらすぐに使用をやめてください。

5)竹酢液の注意点と安全性

竹酢液は天然素材から作られていますが、酸性の液体です。原液のまま使ったり、濃すぎる液を散布したりすると、植物の葉が傷んだり、枯れたりすることがあります。必ず決められた倍率に薄めて使いましょう。

初めて使う作物には、一部の葉に試しに散布して、数日様子を見てから全体に使うと安心です。

保存方法と取り扱いの注意

竹酢液は、ふたをしっかり閉めて、直射日光の当たらない涼しい場所で保管しましょう。子どもやペットの手が届かない場所に置き、飲み物の容器に移し替えないでください。

原液を扱うときは、手袋をして、目に入らないように注意しましょう。目に入ったときは、すぐにきれいな水でよく洗い流し、異常があれば医師に相談してください。薄めた液は保存せず、その日のうちに使い切りましょう。

適切な使用量と混合比

薄める倍率は、目的によって変わります。

・病気の予防:200〜300倍(水1Lに竹酢液約3〜5mL)
・害虫の忌避:100〜200倍(水1Lに竹酢液約5〜10mL)
・土づくり:200〜500倍(水1Lに竹酢液約2〜5mL)
・生育サポート:1,000〜2,000倍(水1Lに竹酢液約0.5〜1mL)

「竹酢液1:水10」のような濃い液は、植物を傷めるおそれがあるので使わないでください。製品の表示がある場合は、そちらを優先しましょう。

アレルギー反応と対策

竹酢液のにおいが苦手な方や、肌が敏感な方は、散布するときに手袋やマスクをすると安心です。散布の後は、手や顔をよく洗いましょう。

竹酢液が肌について、かゆみや赤みなどの異常が出た場合は、すぐに水で洗い流し、症状が続くときは医師に相談してください。

6)竹酢液と木酢液の違い

竹酢液と木酢液は、原料が違うだけで、作り方や使い方はよく似ています。竹酢液は竹を、木酢液はナラやクヌギ、スギなどの木を焼いて作ります。

どちらも、主な成分は水と酢酸などの有機酸で、家庭菜園での忌避や予防的散布、土づくりのサポートに使われます。原料によって香りや成分のバランスが少しずつ違うため、使い比べて、自分の好みや使いやすさで選ぶとよいでしょう。

製造過程の違い

作り方は、竹酢液も木酢液も同じで、炭を焼くときに出る煙を冷やして集め、静かに置いてタールなどを分けてから仕上げます。

違いは原料だけです。竹は木に比べて早く育つため、放置された竹林の竹を使えば、竹林の整備にも役立ちます。木酢液は、使う木の種類によって香りや成分が変わります。

利用法の相違点

竹酢液と木酢液の使い方に、大きな違いはありません。どちらも水で薄めて、害虫の忌避、病気の予防的散布、土づくりのサポートなどに使います。

どちらを使う場合も、品質が管理された製品を選び、製品の表示どおりに薄めて使うことが大切です。

家庭菜園や農業で竹酢液を使ってみたい方には、当店の農業用竹酢液「孟宗竹の煙」がおすすめです。山梨県身延町産の孟宗竹を原料に、時間をかけて丁寧に作っています。詳しくは商品ページをご覧ください。