ミミズコンポスト

2025/4/28

ミミズコンポストのフロースルー方式とは?構造やメリット・デメリットを紹介

家庭で生ごみをたい肥に変える「ミミズコンポスト」は、環境に優しく、観葉植物や家庭菜園の土づくりに活用できることから、注目を集めています。

ミミズコンポストについて調べていく方が辿り着くのが「フロースルー方式」ではないでしょうか。

フロースルー方式のミミズコンポストは、たい肥が取り出しやすく、手入れも簡単なことから人気の方式です。

これからミミズコンポストを始めたいという方向けに、フロースルー方式の基本的考え方、構造、自作方法、メリット・デメリットについて具体的に解説します。

ミミズコンポストのフロースルー方式とは

ミミズコンポストのフロースルー方式とは、コンポストの上部に生ごみを追加しながら、下部に自然とたい肥が溜まっていく仕組みを活かした運用方法です。

ミミズはエサを求めて上へと移動する習性があるため、たい肥が溜まった下層にはあまりミミズが残らず、たい肥とミミズを分離する手間を大幅削減できます。

ミミズ箱を複数積み上げて運用する「積み上げ式」と違い、複数の容器を使いまわす必要がなく、1つの容器で完結するのが特徴です。

また、たい肥の取り出し口が下部に設けられており、分解が進んだたい肥のみを効率よく収穫できるため、管理もシンプルになります。

たい肥は自然と落ちてくるため、受け皿が必要となり、屋外での運用が向いています。

ミミズコンポストのフロースルー方式の構造と仕組み

フロースルー方式のコンポストは、基本的に縦長の容器構造になっています。

底部には格子状のスリットがあり、たい肥が自然と下に落ちていく仕組みです。

内部ではミミズが上部の生ごみを分解して栄養として取り込み、残ったものがたい肥として下に移動していきます。

ミミズは暗く湿った場所を好むため、湿度や温度を保ちながら、通気性を確保できる構造であることが重要です。

フロースルー方式では上から生ごみを足していけばよく、成熟したたい肥を底部の取り出し口から回収するだけで済むため、分離作業が格段に楽になります。

定期的にかき混ぜたり、ミミズとたい肥を手でより分けるといった作業が不要になる点も、初心者にとっては大きなメリットです。

ミミズコンポストのフロースルー方式を自作する手順

フロースルー方式のコンポストは市販品もありますが、工夫すれば自分で作ることも可能です。

ここでは基本的な自作手順を4ステップに分けて解説します。

STEP1:必要な材料・道具を用意する

まずは必要な材料を揃えます。

基本的にホームセンターや100円ショップで手に入るものが多く、コストを抑えて始めることができます。

用意するものは以下の通りです。

  • コンポスト容器
  • ロープ
  • 塩ビパイプや木枠(土台)
  • 防虫ネット
  • 電動ドリル
  • ノコギリ
  • シマミミズ
  • 床材(ピートモスや新聞紙、腐葉土など)

STEP2:容器の底を空洞にして通気穴を開ける

フロースルー方式では、コンポストのそこからたい肥が落ちてくるようにするため、コンポストの底を空洞にします。

ノコギリなどで底部をカットし、筒状になるようにします。

ミミズが生きていくために空気が必要になるため、側部には電動ドリルなどで通気穴を開けましょう。

内部嫌気性腐敗防止にもなります。

穴を開けたところには防虫ネットを付けておくとミミズの脱走防止になります。

STEP3:土台をにロープを張る

フロースルー方式では、穴を開けたコンポスト容器を、ロープを張った土台に乗せます。

土台は木枠でも塩ビパイプでも、扱いやすいものを使ってください。

木枠または塩ビパイプに、格子状にロープを張って、土台は完成です。

この格子状のロープの隙間からたい肥が落ちてくるため、適度な間隔が必要です。

1.5㎝くらいの間隔を目安にしましょう。

土台となるため、コンポストを置いて安定する張り具合も必要になってきます。

何度か試してちょうど良い張り具合を見つけてください。

STEP4:土台に容器を乗せ、床材やミミズを入れる

ステップ3でできた土台にステップ2でできた容器を乗せ、床材とミミズを入れます。

床材はミミズが快適に過ごせる環境を作る役割があるため、湿らせたピートモスやシュレッダーにかけた新聞紙、腐葉土などを入れます。

土台の下はたい肥が落ちてくるため、トレイやケースを置いておくとたい肥を簡単に集めることが可能です。

1週間程度は、ミミズは新しい環境に慣れないためエサを食べません。

最初の1週間はミミズが環境に慣れるのを待ち、生ごみを入れるのはしばらく経ってからにしましょう。

ミミズコンポストのフロースルー方式のメリット

ミミズコンポストのフロースルー方式のメリットは以下のようなものがあります。

  • たい肥の取り出しが簡単にできる
  • 管理がシンプルで負担が少ない
  • ミミズに触れずに運用できる

フロースルー方式ならではのメリットを解説していきます。

たい肥の取り出しが簡単にできる

フロースルー方式は土台のスリットからたい肥が滑り落ちてきます。

硬い場合は熊手などでかき出す必要はありますが、それでも通常のミミズコンポストと比べるとたい肥の取り出しが簡単です。

通常のミミズコンポストの場合、ふるいを使って、たい肥とミミズとより分けていかなくてはなりません。

重いミミズコンポストを持ち上げるのは大変ですし、ミミズが苦手な方はより分けが上手くできないでしょう。

フロースルー方式は、待っていればたい肥を収穫できるため、簡単にたい肥を取り出せるのがメリットです。

管理がシンプルで負担が少ない

フロースルー方式は管理がシンプルのため、負担が少ないのが特徴です。

この方式はミミズが生ごみを食べた後、自然と上に移動していく習性を活かしており、たい肥は下に溜まっていきます。

そのため、定期的に生ごみを投入し、数ヵ月に1度、下からたい肥を取り出すだけで運用が可能です。

臭いも発生しにくく、見た目にも清潔感があります。

ミミズを別の容器に移したりしなくて良いことや、一つの容器で完結するため、複数容器の管理をしなくて良いのもメリットです。

ミミズに触れずに運用できる

フロースルー方式はミミズに触れずに運用ができます。

一般的なミミズコンポストはたい肥を取り出す際に、ふるいなどを使ってミミズとたい肥を分ける作業が発生します。

しかし、フロースルー方式ならたい肥が下から出てくるため、ミミズを分ける作業が発生しません。

ミミズに触れずに運用できるため、「生ごみをたい肥に分解する活動に興味はあるけど、ミミズは苦手」という方にも安心して使ってもらうことができます。

 通気性が良くにおいが少ない

フロースルー方式はコンポストの下部が完全に開いています。

また、横にも空気穴を開けることで、通気性が上がります。

コンポストの臭いの原因は空気が回らないことで、嫌気性微生物が増殖するせいです。

かき混ぜることで解消されますが、フロースルー方式ではかき混ぜなくても通気性が良いため、臭いがしないのが特徴です。

ミミズコンポストフロースルー方式のデメリット

ミミズコンポストのフロースルー方式のデメリットは以下です。

  • 初期コストが高い
  • 液肥の収穫は難しいケースが多い
  • 自作には工夫が必要になる

それぞれ解説していきます。

初期コストが高い

フロースルー方式のミミズコンポストはあまり販売されていません。

販売されていたとしても、海外の容器であるため高価です。

また、自作するにあたっても、容器の他に土台が必要になり、ロープの貼り方が難しかったりして、一般的なミミズコンポストに比べて初期コストがかかります。

とにかく安く始めたいという方は、フロースルー方式は向いていないでしょう。

液肥の収穫は難しいケースが多い

底面がスリット式のフロースルー方式では、液肥の収穫は難しいです。

液肥(ミミズのオシッコ)を溜める構造になっていないからです。

また、たい肥に混ざってしまうため、液肥だけの収穫というのはほぼできません。

液肥が必要な方、液肥をガーデニングや家庭菜園にメインとして使いたい方は他の方法が向いています。

自作には工夫が必要になる

フロースルー方式のコンポストはあまり販売されていないため、自作するのが一般的です。

しかし、自作する場合、自分で設計・加工する必要があるため、ある程度の工夫と知識が求められます。

たとえば、土台となるロープの張り方も、幅が広いとミミズが落ちてしまう原因になりますし、逆に狭くてもたい肥が詰まる原因になります。

また、側面に開けた穴が適切でないと、空気が循環せず、ミミズが酸欠で死んでしまったり、内部が蒸れて悪臭が出たりするリスクが高くなるでしょう。

ミミズが快適に過ごせる環境を作らなくてはならないため、ミミズの知識が必要です。

フロースルー方式のミミズコンポストを作るのには工夫が必要というデメリットがあります。

周りが汚れやすい

フロースルー方式はコンポストの下部にロープを張って、その上にたい肥が乗っている形になります。

どうしてもたい肥がむき出しになってしまうので、ポロポロと自然とたい肥が落ちてきてしまいます。

自然とたい肥が落ちてくることはメリットでもありますが、周りが汚れやすいというのがデメリットです。

コンポストの下に受け皿を用意して、落ちてきたたい肥を受け取れるようにしましょう。

周りが汚れやすいので、室内での運用には向いていません。

ロープに堆肥が詰まって取り出しにくい場合がある

 ロープにたい肥が詰まって取り出しにくいことがあります。

そうした場合は熊手などを使ってたい肥をかき出す作業が必要になります。

数ヵ月ミミズコンポストを運用してみて、たい肥がほとんど取れない方は、ロープにたい肥が詰まっている可能性があります。

面倒ですが、その場合はたい肥をかき出しましょう。

自作に自信がない….という方は専用容器を活用するのがおすすめ!

フロースルー方式のミミズコンポストを自作するのは自信がない、という方は、専用容器を使うのがおすすめです。

「金子みみずちゃんの家」は、ミミズコンポストの専用容器です。

3段構成になっており、下の段からたい肥が溜まり、上の段には生ごみを投入する仕組みです。

フロースルー方式と違って、容器を入れ替える必要はありますが、ミミズはどんどん上の段に行くため、ミミズに触れずにたい肥を取り出すことができます。

管理も簡単なので、ミミズが苦手な方も始めることが可能です。

見た目もスタイリッシュなので、ベランダや室内に置いても違和感がありません。

なにより、ミミズコンポスト専用容器のため、失敗が少なく、手軽に始められることが魅力的です。

始めたいけど容器選びで困っている方は、金子みみずちゃんの家がおすすめです。

自作しなくても金子みみずちゃんの家なら簡単に始められる!

ミミズコンポストのフロースルー方式について、構造や自作方法、メリット・デメリットについてご紹介してきました。

フロースルー方式は管理が簡単というメリットがある一方で、自作には手間がかかるというデメリットがあります。

自作が不安、だけど市販の容器も迷う……という方には、すぐに始められる「金子みみずちゃんの家」のようなセット商品がおすすめです。

床材やミミズ、容器が一式揃っているため、届いたその日からスタートできるのが大きな魅力です。

専用容器を使って簡単にミミズコンポストを始めてみませんか。