ミミズコンポスト

2025/5/28

ペットボトルでミミズコンポストを作れる?やり方や運用するコツを解説

ミミズコンポストに興味はあるけれど、「いきなり本格的なコンポストを買うのはちょっと…」と躊躇している方も多いのではないでしょうか。

そんな方にピッタリなのが、ペットボトルを使ったミミズコンポストです。

容量は少ないですが、手軽に始められるため、お試し気分で始めるのに向いています。

この記事では、ペットボトルで簡単にミミズコンポストを自作する方法と、成功のコツをわかりやすく紹介していきます。

家庭のちょっとした生ごみ処理や、子どもの自由研究にも活用できるので、ぜひチャレンジしてみてください。

ペットボトルでミミズコンポストはできる?

ペットボトルでもミミズコンポストを始めることは可能です。

限られたスペースでも、生ごみをたい肥化できる方法です。

令和4年度の環境省調査によると、日本全国のごみ総排出量は約4,034万トンです。

そのうち、家庭などから出る生活系ごみは約2,841万トン、事業系ごみは約1,194万トン。

家庭ごみの一部でも減らす取り組みは、社会全体のごみ削減につながります。

本格的な大型コンポストに比べると、処理できる生ごみの量は少ないですが、透明の容器のため、ミミズの生態を観察しながらコンポストの仕組みを理解することができます。

また、少ない費用で始められるため、「まずは試してみたい」という初心者にピッタリの方法でしょう。

少しでもエコな暮らしに貢献したい方には、環境保護活動の一歩となります。

ペットボトルミミズコンポストの作り方

ここからは、ペットボトルでミミズコンポストを作る方法について解説します。

少し工夫は必要ですが、基本的な工程はシンプルです。

まずは以下の物を用意してください。

  • ペットボトル
  • ビニールテープ
  • ネットや不織布
  • 床材(腐葉土・ココナッツ繊維)
  • 洗濯ネット
  • カッター・ハサミ

次の順でペットボトルを組み立てていきます。

  • ペットボトルを下から3分の1程度で切る
  • ペットボトルの口部分を下にして組み合わせる
  • 口部分にネットを敷いてミミズが落ちないようにする
  • 床材を入れてミミズを入れる
  • 洗濯ネットを被せる
  • 日陰に置くか光を通さないもので覆う

以下からは、順を追って詳しく解説していきます。

①ペットボトルを下から3分の1程度で切る

まずはペットボトルの底からおよそ3分の1の位置でカッターやハサミを使って切り分けます。

切った上部(飲み口側)がミミズの生活するメインの部屋になります。

怪我を防ぐために、切り口は出来ればビニールテープなどで保護しておくと安心です。

用意するペットボトルはなるべく大きいもの(2Lなど)の方が、生ごみを多く処理できます。

土を入れて使うため、柔らかいペットボトルは不向きです。

なるべく硬いペットボトルを使いましょう。

②ペットボトルの口部分を下にして組み合わせる

切り分けたペットボトルの飲み口部分を下向きにして、底の部分にはめ込む形にします。

こうすることで、ミミズコンポスト内で発生する液肥を下の部分に溜めることができます。

液肥は野菜や観葉植物の栄養として活用できるため、この仕組みは重要です。

③口部分にネットを敷いてミミズが落ちないようにする

ペットボトルの口からミミズが落ちてしまわないように、ネットを敷きます。

ネットは不織布や使い捨ての排水口ネットなどをカットして使うと簡単です。

ミミズが液肥側に落ちてしまうと溺れ死んでしまうため、忘れないようにしましょう。

④床材を入れてミミズを入れる

ネットを設置したら、次に床材となる土やココナッツ繊維を入れます。

土またはココナッツ繊維は軽く湿らせておきます。

さらに、湿度調整や臭いの発生を抑えるために、竹炭を少量混ぜておくのも効果的です。

石灰はミミズに有害となる場合があるため避け、自然素材の竹炭を活用しましょう。

床材が整ったら、上にシマミミズを少量入れます。

肉や魚(骨は食べませんが、内臓はOKです)をミミズコンポストに入れても大丈夫ですが、大量に入れると腐敗臭が発生したり、害虫が集まりやすくなるため注意が必要です。

したがって、肉や魚は、ミミズが食べきれる量に調整して、少しずつ与えるようにしてください。

適量であれば、堆肥に窒素が含まれるようになり、良質なたい肥になります。

また、最初から大量のミミズを入れてしまうとミミズ同士がストレスを感じやすくなるため、少量からスタートしてください。

さらに、その辺で捕まえられるミミズは、ミミズコンポストには向かないミミズです。

野生のミミズは腐敗したものを好まず、環境変化に弱いため、コンポスト内ではうまく活動できなかったり、すぐに死んでしまう可能性があります。

ミミズコンポスト用のシマミミズは、インターネットでも購入できますが、少量なら釣具店で餌として販売されているため、適する市販品ミミズを使うと手軽です。

⑤洗濯ネットを被せる

ペットボトルミミズコンポストの形ができたら、洗濯ネットを被せておきましょう。

ミミズのエサは生ごみのため、虫やコバエが寄ってくる可能性があります。

コンポストに侵入させないために、洗濯ネットで予防しましょう。

ラップをしたくなりますが、洗濯ネットの方が通気性が良いため、ミミズに快適な環境にすることができます。

⑥日陰に置くか光を通さないもので覆う

ミミズは光が苦手です。

そのため、完成したペットボトルコンポストは直射日光を避け、日陰に置く必要があります。

室内で管理する場合は、ダンボールや黒い布など光を遮る素材でペットボトルを覆うと安心です。

確実に遮光したい場合は、遮光シートや黒い蛇腹ホースを使って全体を覆いましょう。

こうするとミミズにとって快適な暗所を保ちやすく、外の光の影響を防ぐのに効果的です。

ペットボトルでミミズコンポストを作るメリット

ペットボトルを使ったミミズコンポストには、手軽さと実用性の両方があります。

主なメリットとして、次の5つが挙げられます。

  • 気軽に始められる
  • 省スペースに置ける
  • 加工が簡単
  • 透明なので観察できる
  • 液肥も回収できる

ここからは、ミミズコンポストのメリットをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

気軽に始められる

ペットボトルなら専用容器を購入する必要がないため、コストを抑えつつ、気軽に始めることができます。

2Lのペットボトルならどの家庭にもあるでしょうし、なくても買って中身を飲んでしまえば容器の準備ができます。

また、使い古しの洗濯ネットや排水口ネットはどの家庭でもあるので、土とミミズだけ用意すればすぐスタートが可能です。

専用容器を購入する場合、数千円から数万円かかることもありますが、ペットボトルならほぼ無料です。

「まずお試しでやってみたい」という方にとって、初期投資ゼロで始められるのは大きな魅力でしょう。

失敗しても経済的なリスクが少ないので、気軽にチャレンジしやすいです。

省スペースに置ける

ペットボトルコンポストの特徴の一つが、コンパクトに設置できることです。

高さ30㎝程度、幅もわずか10cm前後なので、キッチンの隅やベランダの片隅など、狭いスペースでも無理なく置くことができます。

大きな庭や専用スペースが必要ないため、マンションやアパート暮らしの方でも気軽に取り組めます。

加工が簡単

ペットボトルは柔らかい素材でできているため、カッターやハサミを使って誰でも簡単に加工できます。

特別なDIYの技術は必要ありません。

小学生のお子さんと一緒に作ることもでき、親子で工作を楽しみながら環境問題について学ぶきっかけにもなります。

加工の手順もシンプルで、ペットボトルを切って重ねるだけなので、30分もあれば基本の形が完成します。

透明なので観察できる

ペットボトルの透明な素材を活かして、ミミズたちの活動や生ごみの分解の様子を目で見ながら観察することができます。

例えば、どの部分に射水が集まるのか、エサをどのように食べ進めるのか、分解された土の色や触感の変化など、普段は見えない自然の営みを身近に感じることができます。

子どもの自由研究や環境教育にも役に立ちます。

また、大人でも「生ごみがどのように土に変わるか」をリアルに実感できるため、持続可能なライフスタイルへの理解が深まるでしょう。

液肥も回収できる

ミミズが生ごみを分解する過程で発生する液体(液肥)も、ペットボトルの仕組みを工夫することで簡単に回収できます。

今回ご紹介した作り方なら、底の部分に液肥が溜まるため、家庭菜園や観葉植物の肥料として再利用できます。

液肥はミネラル分を豊富に含んでおり、植物の生育を促進する効果があります。

液肥はそのまま使うと植物の根を傷めるおそれがあるため、使う際は水で10倍以上に薄めてから植物に与えてください。

週に1〜2回の頻度が目安です。

生ごみを減らしながら、自宅の植物を育てる楽しみも得られる、一石二鳥のエコ活動といえるでしょう。

ペットボトルでミミズコンポストを作るデメリット

手軽に始められるペットボトルミミズコンポストですが、その反面、いくつかのデメリットも存在します。

特に、これから本格的にミミズコンポストに取り組みたいと考えている方にとっては、注意すべきポイントです。

  • 少量の生ごみしか処理できない
  • 液肥も少量しか取れない
  • 透明なのでミミズの住処として不適
  • 失敗する可能性が高い

また、家庭で生ごみを堆肥化したいと思っても、地域によっては臭いや害虫に関する条例やルールが定められていることがあります。

ミミズコンポスト設置前に、お住まいの自治体の生活環境課などに確認しておくと安心です。

以下からは、ミミズコンポストを作るうえでの各デメリットそれぞれについて、詳しく見ていきましょう。

少量の生ごみしか処理できない

ペットボトルは容量が小さいため、一度に処理できる生ごみの量も限られています。

家庭で出る野菜くずやコーヒーかすなどのうち、ほんの一部しか投入できません。

家族全員分の生ごみを処理したいと考えている場合、ペットボトル1本では到底間に合わないため何本か同時に運用する必要があります。

そのため、「生ごみをたくさん減らしたい」という目的には向かない点を理解しておきましょう。

液肥も少量しか取れない

ペットボトルサイズでは、ミミズが分解する生ごみの量が少ないため、得られる液肥もごくわずかです。

家庭菜園でプランターを何個も管理しているような方や、液肥を目的にコンポストを始める方にとっては、液肥の量が物足りなく感じるでしょう。

液肥を大量に使いたい場合は、大型の専用コンポスを検討した方が実用的です。

透明なのでミミズの住処として不適

ペットボトルは観察には便利な反面、ミミズにとっては過酷な環境になりがちです。

ミミズは暗い場所を好み、強い光を嫌う性質を持っています。

透明なペットボトルに直射日光が当たると、ミミズはストレスを感じ、活発に活動できなくなってしまいます。

その結果、エサの分解が遅れたり、ミミズの数が減ってしまうリスクもあります。

ミミズを健康に育てたいなら、ペットボトルを黒い布で覆ったり、暗所に置くなどの工夫が欠かせません。

失敗する可能性が高い

ペットボトルのような小さな環境では、温度や湿度の変化に敏感です。

たとえば、夏場に室温が30℃を超えると、中の温度も急激に上昇し、ミミズが死んでしまう危険があります。

逆に冬は、寒さでミミズの活動が鈍くなり、分解が進まないこともあります。

また、エサを入れすぎて腐敗したり、水分過多で酸欠になったりと、ちょっとしたミスが致命的なトラブルに直結しやすいのもペットボトルコンポストの特徴です。

初心者の場合、細かな管理に慣れるまでは失敗を繰り返すことも多いでしょう。

とはいえ、失敗を重ねながらでも学べるのが小規模コンポストの良さでもあります。

気軽に挑戦しつつ、少しずつコツをつかんでいく姿勢が大切です。

ペットボトルでミミズコンポストを運用するコツ

ペットボトルでミミズコンポストを成功させるには、いくつか押さえておきたいコツがあります。

ペットボトルは小さな環境なので、ちょっとした工夫や注意が大きく影響します。

ここでは失敗を防ぎ、ミミズたちが元気で働ける環境を作るためのポイントを詳しく紹介します。

日陰に置いたり光を通さないもので覆う

ペットボトルの透明な素材は、ミミズにとってストレスの原因になります。

ミミズは本来、土の中の暗い環境で暮らす生き物であり、強い光にさらされると動きが鈍くなったり、ストレスで弱ってしまうことがあります。

たとえば、ペットボトルを直射日光の当たる窓辺に置くと、わずか数時間で内部が高温になり、ミミズが死んでしまうこともあります。

これを防ぐためには、必ず日陰に設置するか、黒い布や紙袋、アルミホイルなどをペットボトル全体にかぶせて光を遮断する工夫が必要です。

また、完全に密封してしまうと中が蒸れてしまうため、空気が通るように上部だけ開けておくと良いでしょう。

暗さと通気性、この2つのバランスがミミズにとって快適な環境を作るカギになります。

何本か同時に運用することで生ごみ処理量UP

ペットボトル1本で処理できる生ごみの量には限界がありますが、複数本を同時に運用すれば、生ごみの処理能力を格段に高めることができます。

たとえば、朝の食事で出た野菜くずは1号機、夜に出た果物の皮は2号機と、投入先を分けるだけでも、それぞれのミミズたちに負担をかけず効率よく分解を進めることができます。

さらに、ボトルごとに投入するエサの種類を変えて「ミミズはどんなエサが好きか」を比較してみるのも面白い実験になります。

たとえば、1号機にはコーヒーかす中心、2号機には野菜くず中心、というようにテーマを持たせると、観察の楽しみも増えます。

運用する本数が増えると、管理はやや手間がかかりますが、その分生ごみ削減効果も目に見えて実感できるようになります。

失敗したくない方や大量の生ごみを処理したい方は専用コンポストがおすすめ

ペットボトルコンポストは手軽にできるメリットの一方で、失敗しやすいデメリットがあります。

また、容量が少ないため家庭で出るすべての生ごみを処理するのは難しいです。

大量の生ごみを本格的に処理したい場合や、なるべく失敗なく安定した運用を目指したい場合は、最初から専用のミミズコンポスト容器を使うのがおすすめです。

専用容器は通気性・排水性・ミミズの快適性が考え抜かれて設計されているため、ペットボトルよりもずっと管理が楽になります。

家庭の生ごみ量に合わせて、適切なサイズを選びましょう。

ペットボトルのミミズコンポストは子どもの実験にもおすすめ!

ペットボトルミミズコンポストは、小学生や中学生の自由研究にも最適です。

透明な容器を使うことで、ミミズの動きや生ごみの分解の様子を目で見て観察できます。

たとえば、「1週間で生ごみはどのくらい減るのか」「ミミズはどんな食べ物を好むか」など、テーマを設定して記録をとると、科学的な学びにもつながります。

親子で楽しみながら、エコ活動の第一歩を踏み出しましょう。

また、本格的に家庭菜園などでミミズコンポストを活用していきたいのであれば、ペットボトルでは不足です。

「金子みみずちゃんの家」なら室内でも使える臭いのしない専用コンポストで、失敗することなくミミズコンポストを活用できます。

また、シマミミズも付属していますし、組み立てや管理も簡単です。

ペットボトルのミミズコンポストではもの足りないという方や、家庭菜園などで今後本格的にミミズコンポストを始めたいという方は、ぜひ「金子みみずちゃんの家」を使ってみてください。

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