
竹酢液は、竹を炭に焼くときに出る煙を冷やして集め、寝かせてから不純物を取り除いた液体です。独特のスモーキーな香りがあり、畑の病害予防や虫よけ(忌避)、土づくりなどに使われています。
畜産の現場でも、たい肥置き場や畜舎まわりのにおい対策、虫よけとして取り入れられることがあります。ただし、竹酢液は家畜の餌や飲み水に混ぜるものではなく、家畜の体に直接かけるものでもありません。
この記事では、畜舎まわりで竹酢液を使うときの基本と、正しい使い方・注意点をわかりやすくご紹介します。
1)畜舎まわりで使う竹酢液の基本情報
竹酢液は、竹を炭窯で焼くときに出る煙を冷やして液体にし、数か月寝かせてから、ろ過や蒸留で不純物を取り除いて作られます。日本では、農業資材として畑や果樹園などで広く使われてきました。
畜産の現場で使う場合は、ふん尿やたい肥のにおいが気になる場所、虫が集まりやすい場所など、「家畜のまわりの環境」に使うのが基本です。竹酢液は、家畜の病気を予防したり治したりするものではありません。家畜の健康管理は、獣医師の指導のもとで行いましょう。
竹酢液ができるまでの工程や、一般的な扱い方については、竹酢液の作り方と使い方の記事も参考にしてください。畜舎まわりで使う際は、このページの注意点と商品表示を優先しましょう。
竹酢液の成分
竹酢液の大部分は水で、主な成分は酢酸などの有機酸です。そのほか、フェノール類やアルコール類など、たくさんの成分がわずかずつ含まれています。竹酢液が酸性で、独特の香りがあるのは、これらの成分によるものです。
成分の種類や量は、原料の竹や作り方によって変わります。ミネラルが多く含まれているわけではなく、栄養を補うためのものでもありません。
2)畜舎まわりで期待できること
畜舎まわりで竹酢液を使うと、次のような使い方ができます。
・たい肥置き場やふん尿置き場など、においの気になる場所のにおい対策
・畜舎まわりに集まりやすい虫を寄せ付けにくくする(忌避)
・たい肥づくりや、畜舎まわりの畑の土づくりのサポート
効果の感じ方は、においの強さや場所の広さ、使う量などによって変わります。竹酢液だけに頼らず、ふん尿のこまめな片付けや換気など、日ごろの清掃・衛生管理と組み合わせることが大切です。
においの対策
畜舎では、ふん尿や餌の食べ残しなどから、においが発生しやすくなります。竹酢液を薄めて、たい肥置き場やふん尿置き場、通路などのにおいが気になる場所に散布すると、においがやわらぐと感じられることがあります。
ただし、竹酢液そのものにも、燻製のような独特の香りがあります。はじめは狭い範囲で試し、香りの感じ方を確かめてから使いましょう。
におい対策の基本は、ふん尿を早めに片付け、換気をよくすることです。竹酢液は、そのうえで補助的に使うものと考えてください。
虫よけ(忌避)
竹酢液の独特の香りは、虫を寄せ付けにくくする「忌避」の目的でも使われます。畜舎まわりの草むらや、たい肥置き場のまわりなど、虫が集まりやすい場所に薄めて散布します。
竹酢液は虫を殺すものではなく、あくまで寄せ付けにくくするためのものです。香りは時間がたつと弱まるので、定期的に散布しましょう。
3)畜舎まわりでの竹酢液の使い方
竹酢液は、必ず水で薄めてから使います。原液のまま使うと、においが強すぎたり、まわりのものを傷めたりすることがあります。
散布は、家畜のいない場所で行い、家畜の体や顔、餌、飲み水、餌箱や給水器にかからないようにしましょう。畜舎の中で使う場合は、家畜を別の場所に移している間に行い、よく換気してください。
使用タイミング
・においが強くなりやすい、気温や湿度の高い時期
・虫が増えはじめる春から秋にかけて
・たい肥の切り返しや、ふん尿置き場の片付けのあと
雨の直前や直後は、竹酢液が流れてしまいやすいので避けましょう。においや虫の様子を見ながら、1〜2週間に1回くらいを目安に、定期的に散布します。
具体的な使用方法
1. 竹酢液を水で薄める(例:200倍なら、水1Lに竹酢液5mL)
2. じょうろや噴霧器に入れる
3. 家畜のいない場所で、たい肥置き場、ふん尿置き場、通路、畜舎まわりの草むらなどに散布する
4. 使い終わった噴霧器は、水でよく洗う
畜舎まわりの畑やたい肥づくりに使う場合は、土づくりの目安の倍率で薄めて使います。
注意点と希釈倍率
希釈倍率の目安は、次のとおりです。製品のラベルに書かれた使い方がある場合は、そちらを優先してください。
・においの対策、虫よけ(忌避):100〜200倍
・畑の土づくり、たい肥づくりのサポート:200〜500倍
・家畜に飲ませたり、餌に混ぜたりしない
・家畜の体や皮膚、目に直接かけない
・消石灰などのアルカリ性の資材や消毒剤と混ぜない
・使うときは手袋やマスクを着け、目や皮膚に付いたらすぐに水で洗い流す
・子どもや家畜の手の届かない場所に保管する
・はじめは狭い範囲で試し、まわりの様子を確認してから広げる
4)竹酢液の購入方法と選び方
竹酢液を選ぶときは、原料や作り方、使い方が表示されているかを確認しましょう。畜舎まわりで使う場合も、農業用として販売されている竹酢液を、表示どおりに薄めて使うのが基本です。
当店では、山梨県身延町産の孟宗竹から作った農業用竹酢液「孟宗竹の煙」を取り扱っています。
良質な竹酢液の特徴
・原料の竹の種類や産地が表示されている
・煙を集めたあと、しっかり寝かせてから、ろ過や蒸留で不純物を取り除いている
・製造工程や使い方が説明されている
・色は透明感のある茶色〜琥珀色で、濁りや浮遊物が少ない
当店の「孟宗竹の煙」は、3か月以上寝かせてから、ろ過と減圧蒸留で不純物を取り除いています。
5)竹酢液に関するよくある質問
Q. 竹酢液はどのようにして作られるのですか?
竹を炭窯で焼くときに出る煙を冷やして液体にし、数か月寝かせてから、ろ過や蒸留で不純物を取り除いて作ります。
Q. どのくらいの頻度で使えばよいですか?
においや虫の様子を見ながら、1〜2週間に1回くらいを目安に散布します。雨のあとは流れてしまうので、必要に応じて散布し直しましょう。
Q. 家畜の餌や飲み水に混ぜてもよいですか?
いいえ。当店の竹酢液は農業用で、家畜に与えるものではありません。家畜の体にも直接かけないでください。
安全性について
竹酢液は天然素材由来ですが、「天然だから何にでも安全」というわけではありません。酸性の液体なので、原液が目や皮膚に付くと刺激になることがあります。
使うときは手袋やマスクを着け、必ず水で薄めてから使いましょう。家畜に飲ませたり、体にかけたりしないこと、アルカリ性の資材と混ぜないことを守ってください。
保管方法
・直射日光の当たらない、涼しい場所に保管する
・使ったあとはふたをしっかり閉める
・薄めた液は作り置きせず、その日のうちに使い切る
・子どもや家畜の手の届かない場所に置く
・飲み物の容器など、ほかの容器に移し替えない
使用期限
使用期限や保存期間は、製品のラベルの表示を確認してください。開封後は、ふたをしっかり閉めて保管し、なるべく早めに使い切りましょう。
色や香りが大きく変わったり、カビのようなものが浮いたりしている場合は、使用を控えてください。