竹炭販売コラム

2025/6/29

竹酢液の抗菌性とは?農業・園芸での使い方と作物の病気対策、希釈時の注意点を解説

竹酢液は、竹炭を焼くときに出る煙を冷やして集めた液体です。酢酸をはじめとする成分を含み、昔から農業や園芸で、病気の予防や虫よけ(忌避)のための資材として使われてきました。

ただし、竹酢液は農薬のように病原菌や害虫を退治するものではありません。病気が出る前に予防的に散布する、虫が寄りつきにくい環境をつくる、といった「予防」と「環境づくり」のための資材として使うのが上手な付き合い方です。

この記事では、竹酢液の成分と抗菌性のしくみ、正しい薄め方と使い方、選び方や注意点までをわかりやすくご紹介します。

1) 竹酢液とは

竹酢液は、竹を炭窯で焼いて竹炭を作る際に立ちのぼる煙を冷やし、液体として集めたものです。集めたばかりの液はそのまま使わず、長期間寝かせて不純物を分離させ、ろ過などで精製してから製品になります。

当店の竹酢液「孟宗竹の煙」は、山梨県身延町産の孟宗竹を原料にしています。窯から集めた液を3か月以上静かに寝かせ、油分やタール分と分けてから、ろ過・蒸留して仕上げています。

竹酢液は、病気の予防的散布、虫の忌避、土づくりのサポートなどに使われます。一方で、肥料ではないため、作物の栄養は肥料で別に補う必要があります。

2) 竹酢液の成分と抗菌性

竹酢液の成分は、大部分が水で、そのほかに酢酸などの有機酸、フェノール類、アルコール類など、たくさんの有機成分が少しずつ含まれています。成分の割合は、原料の竹や炭の焼き方、精製の方法によって変わります。

竹酢液が酸性で、独特の燻したような香りがあるのは、これらの成分によるものです。

主要成分の解説

・酢酸などの有機酸:竹酢液の主な成分で、酸性の性質のもとになっています。
・フェノール類:燻製のような香りのもとになる成分です。
・そのほかの有機成分:アルコール類など、多くの成分が微量ずつ含まれています。

このように、竹酢液は多くの成分が少しずつ合わさった液体です。ひとつの成分の働きだけで効果を説明できるものではなく、使い方や環境によって感じ方も変わります。

竹酢液が病気予防に役立つしくみ

竹酢液を薄めて散布すると、葉の表面などが一時的に弱い酸性になり、カビや細菌が増えにくい環境をつくる助けになると考えられています。また、独特の香りを嫌う虫もいるため、虫が寄りつきにくくなる「忌避」の目的でも使われます。

ただし、これはあくまで病気や害虫が出にくい環境づくりのサポートです。すでに広がった病気を治したり、害虫を退治したりするものではありません。雨で流れたり時間がたったりすると働きは弱まるため、病気が出やすい時期の前から、定期的に予防的散布をするのがポイントです。

病害虫が多く発生してしまった場合は、登録のある農薬の使用も含めて、地域の指導機関などに相談しましょう。

3) 竹酢液の具体的な使用方法

竹酢液は、必ず水で薄めて使います。濃いまま使うと、葉が傷んだり、根を傷めたりするおそれがあります。目安の倍率は次のとおりです。

・病害予防(葉面散布):200〜300倍
・害虫忌避(葉面・葉裏散布):100〜200倍
・土づくり(土壌散布・植え付け前):200〜500倍
・生育サポート(水やりに加える):1,000〜2,000倍

たとえば200倍なら、水1Lに竹酢液5mLが目安です。製品のラベルに書かれた使い方がある場合は、そちらを優先してください。

はじめて使う作物には、一部の葉で試してから全体に広げると安心です。散布は、日ざしの強い日中を避け、朝や夕方の涼しい時間に行いましょう。

農業での竹酢液の使い方

農業では、病気が出やすい時期の前から、200〜300倍に薄めた竹酢液を葉面に予防的に散布する使い方が一般的です。カビや細菌は葉の裏にも付きやすいため、葉裏までていねいにかけるのがポイントです。

虫よけ(忌避)が目的の場合は、100〜200倍に薄めて、葉の表と裏に散布します。虫が寄りつきにくい環境づくりに役立ちますが、すでに多く発生している害虫を退治するものではありません。

土づくりでは、植え付け前に200〜500倍に薄めた液を土に散布します。石灰などアルカリ性の資材と混ぜると、成分が中和されてしまうため、一緒に混ぜて使わないようにしましょう。

家庭での竹酢液の使用法

家庭菜園やガーデニングでも、使い方の基本は同じです。スプレーボトルに薄めた竹酢液を入れておくと、手軽に散布できます。

・アブラムシなどの虫よけに:100〜200倍を葉の表と裏に
・うどんこ病などの予防に:200〜300倍を病気が出る前から定期的に
・プランターの土づくりに:200〜500倍を植え付け前に
・水やりに加えて:1,000〜2,000倍

薄めた液は作り置きせず、使う分だけその都度作りましょう。

ペットのいるご家庭での注意点

竹酢液を、ペットの体や皮膚に直接スプレーしたり、飲ませたりするのはやめましょう。ペットの皮膚トラブルなどが気になる場合は、獣医師に相談してください。

庭やベランダで竹酢液を散布したときは、乾くまでペットが近づいたり、なめたりしないように気を付けましょう。竹酢液は保管の際も、ペットや小さなお子さまの手の届かない場所に置いてください。

また、竹酢液の香りは、人やペットによっては強く感じることがあります。室内で使う場合は、換気をしながら少量から様子を見ましょう。

園芸における竹酢液の利点

・天然素材由来で、化学農薬を減らしたい栽培の補助資材として使いやすい
・病気の予防的散布、虫の忌避、土づくりと、薄め方を変えて幅広く使える
・化学農薬とのローテーションや、有機栽培の補完資材として取り入れやすい

有機JAS認証の圃場で使う場合は、事前に認証機関へ確認することをおすすめします。

4) 竹酢液の選び方と注意点

竹酢液は、製品によって原料や精製の方法、品質に差があります。選ぶときは、原料の竹の産地や、どのように精製されているかが表示されているものを選ぶと安心です。

使うときの注意点は次のとおりです。

・必ず水で薄めて使い、濃いまま植物にかけない
・石灰などアルカリ性の資材と混ぜない
・飲んだり、肌に塗ったりしない
・目に入らないように注意し、散布時は手袋やマスクを使う
・子どもやペットの手の届かない、直射日光の当たらない場所で保管する
・製品ラベルの使い方がある場合は、そちらを優先する

高品質な竹酢液の条件

品質の良い竹酢液は、集めた液を長期間寝かせて、タールや油分をしっかり分離させてから精製されています。精製が不十分な液は、タール分が残って色が濃く、においが強くなりやすいため注意しましょう。

・原料の竹の種類や産地が明らかである
・長期間寝かせて、タール分や油分を分離している
・ろ過や蒸留などで精製されている

当店の農業用竹酢液「孟宗竹の煙」は、山梨県身延町産の孟宗竹を原料に、3か月以上寝かせてからろ過・蒸留して仕上げた竹酢液です。

5) 竹酢液の更なる可能性

竹酢液は、竹炭づくりの過程で出る煙から生まれる資材です。放置竹林の竹を活用することにもつながり、資源を無駄なく使う取り組みとしても注目されています。

農業や園芸では、化学農薬や化学肥料だけに頼らない栽培を目指す方の補助資材として、今後も活用の場が広がっていくと考えられます。

新しい用途と研究

竹酢液や木酢液については、病気の予防や虫の忌避、土の中の微生物への影響などについて、さまざまな研究が行われています。ただし、効果は作物や環境、使い方によって変わり、はっきりとわかっていないことも多くあります。

竹酢液は、肥料や農薬の代わりになるものではなく、栽培をサポートする資材のひとつです。正しい倍率を守って、予防的に上手に取り入れてみてください。

虫よけの使い方をもっと詳しく知りたい方は、竹酢液の虫よけ効果と使い方の記事もあわせてご覧ください。