ミミズに生ごみを食べてもらい、ゴミを減らす「ミミズコンポスト」は、エコな暮らしをすることができます。
しかし、日本の冬は厳しく、雪が降ったり、氷点下を下回ったりする地域もあります。
雪や氷点下の天気で心配なのが、ミミズコンポストのミミズたちが無事かどうかです。
ミミズたちは厳しい冬をどうやって乗り切ればいいのでしょうか。
この記事では、ミミズの越冬方法と、冬のミミズコンポストの運用方法について解説していきます。
ミミズコンポストを始めたい方、冬の運用方法を知りたい方は参考にしてください。
シマミミズは成虫のまま越冬できる!
地球には様々な生き物がいますが、越冬方法も様々です。
カマキリは卵を産んで、卵の状態で越冬し、親は冬を越さずに死んでしまいます。
カブトムシはさなぎの状態で土に潜って冬を越します。
では、ミミズはどうなのかというと、コンポストに利用されるシマミミズは成虫のまま冬を越す生き物です。
ただし、寒さには弱いため、適切な温度やエサを与えた場合に越冬できます。
何も対策をしないと越冬は難しいでしょう。
【温度別】シマミミズの特徴
ミミズコンポストに使われるミミズは「シマミミズ」という種類です。
シマミミズは夏の暑さにも、冬の寒さにも弱い生き物です。
温度によって活動も変わってきます。
10℃以下になるとミミズは生ごみを食べなくなる
シマミミズが活発に活動できる温度は10℃~28℃と言われています。
10℃以下になると動きが鈍化してエサをあまり食べなくなります。
つまり、10℃以下になるとミミズコンポストは生ごみを分解しづらくなってしまいます。
ミミズが分解できない量の生ごみを与えると臭いが発生し、他の害虫や昆虫を寄せ付ける原因になるため、気温が下がってきたら与える生ごみの量を減らすようにしましょう。
5℃以下になるとミミズは孵化しなくなる
5℃以下になるとミミズの活動は著しく落ちていき、成体は休眠状態になります。
こうなるとエサは全く食べなくなるため、生ごみを処理することはできません。
また、5℃以下になると卵が孵化しなくなり、ミミズが増えることがありません。
低温が卵の発育に影響を及ぼしてしまうため、孵化しなくなります。
もしミミズを増やしたい場合は、低温に注意して育成しなくてはなりません。
0℃以下になるとミミズは氷眠してしまう
ミミズの体はほとんどが水分で出来ています。
そのため、0℃以下になるとミミズは凍ってしまい氷眠してしまいます。
コンポストも凍ってしまうため、ミミズも凍って全滅する可能性があります。
雪が降る地域や気温が氷点下になる地域では十分注意が必要です。
ミミズコンポストの冬の運用方法
ミミズは寒さに弱い生き物です。
そのため、冬場はコンポストを温めることが基本になります。
ミミズコンポストの冬場の運用方法をご紹介します。
- 室内に入れる
- 毛布などで覆う
- 爬虫類用の電気マットを使う
- 米ぬかを入れる
- 緩衝材のプチプチを敷く
- 水分量に気をつける
- 竹炭や石灰を撒く
- かき混ぜて新鮮な空気を入れる
- 生ごみを入れる量を減らす
室内に入れる
屋外でミミズコンポストを運用している方は、室内に入れてあげましょう。
屋外よりも室内の方が暖かく、寒さをしのげます。
物置や玄関でも良いでしょう。
この時移動しやすいように、あらかじめ移動できるコンポストを利用しておくと便利です。
ミミズコンポストは冬の寒さに弱いだけでなく、夏の暑さにも弱いため、夏も室内や日陰に移動してあげた方がいいからです。
専用コンポストの「金子みみずちゃんの家」は移動できるタイプのコンポストのため、おすすめです。
毛布などで覆う
室内に移動することができないコンポストを利用している場合や、室内も同じように温度が低い場合、コンポストを毛布などで覆ってあげると良いでしょう。
外気温をコンポスト内に伝えないことが大切なため、毛布で覆ってあげると温度の低下を抑えることができます。
断熱シートでも構いません。
寒さがコンポスト内に入らないような工夫をしましょう。
爬虫類用の電気マットを使う
室内で運用している方は、爬虫類用の電気マットを使うのもおすすめです。
爬虫類用の電気マットは、爬虫類が快適に過ごせるような温度を保ってくれる電気マットです。
人間用の電気毛布では暑くなりすぎるところ、爬虫類用ならミミズにとって快適な温度を保つことができます。
ミミズが活発に動ける温度は10℃~28℃で、35℃を超えると暑さで死んでしまいます。
そのため、コンポスト内が熱くなり過ぎないように調節が必要です。
米ぬかを入れる
米ぬかを入れると発酵熱でコンポスト内が温まります。
冬はエサと一緒に米ぬかを入れてあげると内部が温まります。
ただし米ぬかをあげ過ぎると内部の温度が高くなりすぎてミミズが死んでしまう原因になるため、適量パラパラを振りかける程度にしましょう。
緩衝材のプチプチを敷く
コンポスト内の温度を逃がさないために、コンポストの表面に緩衝材のプチプチを敷いてあげましょう。
コンポスト内が米ぬかの発酵熱などで温まっている場合、表面から温度が逃げていく可能性があります。
緩衝材のプチプチは断熱効果があるため、表面に敷いてあげると熱が逃げないためおすすめです。
また、水分も逃げにくくなるため、乾燥しがちな冬も適切な水分量を保つことができます。
水分量に気をつける
冬に乾燥しやすい地域の場合は、乾燥しがちなため、コンポスト内の水分が足りなくなることがあります。
逆に水分が蒸発しにくい地域では水分過剰になったり、緩衝材のプチプチを敷いている場合は水分が逃げないため、いつも通り霧吹きで水分補充すると過剰になったりしてしまうことがあります。
目で確認したり、触ったりして水分量が適切になっているか確認しましょう。
ミミズコンポストの乾燥は、ミミズが干からびて死んでしまう原因になります。
逆に多量の水分はミミズが呼吸できなくて死んでしまう原因になるため、十分注意しましょう。
竹炭や石灰を撒く
冬はミミズの活動が活発でなくなり、逆に他の虫が活発になりやすいです。
コンポスト内の小虫が増えると酸性に傾いてしまうため、ミミズが生き辛い環境になってしまいます。
コンポスト内を中性に戻すために竹炭や石灰を撒きましょう。
粉砕した卵の殻でも効果があります。
かき混ぜて新鮮な空気を入れる
ミミズコンポストは一般的なコンポストと違ってかき混ぜないことがメリットですが、たまにはかき混ぜることも必要です。
かき混ぜることで新鮮な空気を内部まで入れることができ、空気を含んだ土や床材は内部の温度を均一にしてくれる効果があります。
通常はミミズがもぐったりして酸素の入れ替えをしてくれますが、冬は動きが鈍くなるため、ミミズの代わりに空気の入れ替えを行ってあげましょう。
また、酸素が少ないと臭いの原因にもなるため、かき混ぜて新鮮な空気を取り入れることは有効的です。
生ごみを入れる量を減らす
冬はミミズの動きが鈍くなる季節です。
エサもあまり食べなくなります。
生ごみを分解できないのにどんどん入れていくと、生ごみの腐敗の原因になり、臭いが発生してしまいます。
臭いは他の虫を引き付ける原因になり、コンポストはミミズ以外の虫がたくさん発生してしまうでしょう。
また、コンポスト内が酸性に傾いてしまい、ミミズにとって住みにくい環境になっていまします。
冬は生ごみの量を減らしてあげるのがおすすめです。
ミミズコンポストにヒメミミズが大量発生する原因
冬になると多く見かけるのがヒメミミズです。
コンポストに使っているシマミミズは幼体でも少しピンクがかっていますが、ヒメミミズは全身真っ白で1~2㎝の大きさです。
ヒメミミズはシマミミズに悪さをしませんが、ヒメミミズはシマミミズが生きられないような過酷な環境でも生きることができます。
よって、コンポスト内が大きく酸性に傾いてしまってもヒメミミズは生き残り、シマミミズは全滅してしまうということが起きます。
ヒメミミズが大量発生する原因は湿気です。
冬になると水分の蒸発が少なくなり、コンポスト内が湿気てしまうのが原因でヒメミミズが大量発生してしまいます。
ヒメミミズの対処方法
まずは湿気をとることが大切です。
新聞紙を濡らさずに丸めてコンポストの四隅に少し掘って埋めると、湿気取りに効果的です。
また、ヒメミミズが大量にいる場合はコンポスト内が酸性に傾いている可能性があるため、竹炭や石灰または細かく砕いた卵の殻を撒きましょう。
ヒメミミズ自体を駆除したい場合は、皿に食パンと牛乳を入れてミミズコンポストの中に置きましょう。
1~2日後にたくさんのヒメミミズを取ることができます。
室内でも臭いなく使えるミミズコンポストなら冬でも安心
ミミズコンポストの冬の運用方法について解説してきました。
ミミズは低い気温に弱い生き物です。
10℃以下でエサを食べなくなり、5℃以下で孵化しなくなり、0℃以下で死んでしまいます。
温度が下がる冬場はそのままにすれば全滅する恐れもあるため、寒さ対策をしてあげましょう。
ミミズコンポストは屋外よりも室内で運用するほうがおすすめです。
冬の寒さも夏の暑さも温度を調節できるため、全滅を避けることができます。
ミミズコンポストは臭いがしないため、室内でも運用できます。
専用コンポストの「金子みみずちゃんの家」は室内で運用できるため、初心者におすすめのミミズコンポストです。
寒い地域にお住まいの方で、エコな暮らしを始めたい方は「金子みみずちゃんの家」がおすすめです。