塩をお湯に溶かして入浴する「ミネラル塩入浴剤」は、手軽に取り入れられるバスタイムの楽しみ方のひとつです。好きな香りや色のものを選んだり、湯ざわりの違いを楽しんだりと、毎日のお風呂時間を少し特別なものにしてくれます。
ただし、入浴剤は薬ではありません。「疲労回復」「血行促進」「デトックス」「美肌」などをうたう情報も見かけますが、塩を溶かしたお湯で入浴することで、こうした効果がはっきり得られるという根拠は十分ではありません。
この記事では、ミネラル塩入浴剤とはどんなものか、楽しみ方と正しい使い方、使うときの注意点をわかりやすくご紹介します。
ミネラル塩入浴剤とは
ミネラル塩入浴剤は、海水から作った塩や岩塩などを主な原料にした入浴剤です。製品によっては、香りや色を付ける成分、保湿成分などが加えられているものもあります。
塩の主な成分は塩化ナトリウムで、海水から作った塩には、マグネシウムやカルシウムなどの「にがり成分」も少し含まれています。原料や作り方によって、お湯に溶かしたときの湯ざわりが変わります。
どんな成分が入っているかは製品ごとに違うため、パッケージの成分表示を確認して選びましょう。
ミネラル塩入浴剤の定義
入浴剤には、効能・効果の表示が認められた「医薬部外品」と、「化粧品」や雑貨として販売されているものがあります。多くのバスソルトは化粧品や雑貨にあたり、体への効能をうたうことはできません。
「ミネラル塩入浴剤」は、塩を主な原料にした入浴剤をまとめた呼び方で、決まった基準があるわけではありません。購入するときは、どの区分の製品か、どんな成分が入っているかをパッケージで確認すると安心です。
また、入浴剤として販売されている塩は、食用ではありません。食べたり料理に使ったりしないようにしましょう。
製品を選ぶときに見るべき表示や設備との相性は、ミネラル塩入浴剤の選び方と使用前の確認事項でも紹介しています。
ミネラル塩入浴剤で楽しめること
ミネラル塩入浴剤の魅力は、なんといってもバスタイムの気分転換です。
・お湯の湯ざわりの違いを楽しめる
・香り付きのものなら、好みの香りでゆったりした気分になれる
・色付きのものなら、見た目の変化も楽しめる
・いつもの入浴に「自分のための時間」という特別感が加わる
効果を期待するというより、お気に入りの入浴剤でお風呂時間を楽しむ、という気持ちで取り入れるのがおすすめです。
お湯につかる心地よさ
シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくりつかると、体が温まり、ほっとした気分になりやすくなります。これは、入浴剤の有無にかかわらず、お湯につかること自体の心地よさです。
ミネラル塩入浴剤は、そんなお風呂時間をより楽しむための「きっかけ」として取り入れると、毎日の入浴が楽しみになります。
肌への使い心地
塩を溶かしたお湯は、湯ざわりがやわらかく感じられたり、入浴後に肌がしっとり、またはさっぱりと感じられたりと、感じ方は人によってさまざまです。
一方で、塩は肌に刺激になることもあります。乾燥肌や敏感肌の方、肌に傷や湿疹がある方は、ヒリヒリしたりかゆくなったりすることがあるため、少量から試すか、使用を控えましょう。
入浴後に肌のつっぱりやかゆみが気になる場合は、シャワーで軽く流してから上がり、保湿クリームなどでケアするのがおすすめです。
「デトックス」について
「塩風呂で体の中の毒素や老廃物が出る」という情報を見かけることがありますが、入浴で体の中の毒素が外に出るという根拠は確認されていません。汗をかくのは主に体温を調節するためで、体の中の不要なものを外に出すのは、主に腎臓や肝臓の働きです。
また、長湯や熱いお湯で汗をたくさんかくと、脱水や湯あたりの原因になります。「汗をかくほど良い」と考えず、心地よいと感じる範囲で入浴しましょう。
ミネラル塩入浴剤の使い方
1. お湯の温度を38〜40℃くらいのぬるめに設定する
2. パッケージに書かれた量の入浴剤をお湯に入れ、よくかき混ぜて溶かす
3. 肩までつかる場合は10〜15分くらいを目安に、無理のない範囲でつかる
4. 入浴の前後には、コップ1杯程度の水分をとる
高齢の方や体調がすぐれないときは、入浴時間を短めにし、ふらつきに気を付けてください。
適量の目安
使う量は、製品のパッケージに書かれた量を守りましょう。量を増やしても、そのぶん効果が高まるわけではありません。濃くしすぎると、肌への刺激が強くなったり、浴槽や配管に負担がかかったりすることがあります。
初めて使うときは、表示の量より少なめから試し、肌に合うか様子を見てから使うと安心です。
使用上の注意点
・肌に異常が出たときは、すぐに使用をやめる。症状が続く場合は皮膚科に相談する
・肌に傷や湿疹、かぶれがある方は使用を控える
・妊娠中の方、持病のある方、乳幼児は、使用前に医師に相談する
・熱すぎるお湯(42℃以上)や長湯は避ける
・入浴剤は食べたり飲んだりしない。子どもの手の届かない場所に保管する
・塩は、追いだき機能付きの給湯器や、金属・大理石・木製などの浴槽を傷めることがあります。使ってよいかどうか、給湯器や浴槽の取扱説明書で確認する
・入浴後は、浴槽や床を水でよく流す
・塩を溶かした残り湯は、洗濯や植物の水やりには使わない
自分の体調や住まいの設備に合わせて、無理のない範囲でミネラル塩入浴剤を楽しんでみてください。