海塩は、海水を原料にして作られる塩です。海水にとけているにがり成分(マグネシウムなど)がわずかに残るため、塩味の中にまろやかさや、ほのかな甘み・苦みを感じるものが多く、料理の味わいに違いを出したいときに選ばれています。
この記事では、海塩とはどんな塩なのか、一般的な食塩との違い、選び方と保存のしかた、そして毎日の料理での使い方を、簡単なレシピとあわせてわかりやすく紹介します。
海塩とは?
海塩とは、海水の水分を蒸発させて作る塩のことです。海水には、塩の主成分である塩化ナトリウムのほかに、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどが少しずつとけています。作り方によっては、これらの成分が塩の中に一部残り、塩ごとの味わいや口当たりの違いにつながります。
ただし、塩に含まれるこれらの成分はごくわずかです。塩は、あくまで料理に塩味をつけ、素材の味を引き立てるための調味料として使いましょう。
海塩の一例として、当社で取り扱っている「海水の素」は、中国・慶安の塩田で作られた天日塩です。73種類のミネラルを含み、角の取れたやわらかな塩味が特徴です。
海塩の作り方
海塩の作り方にはいくつかの方法がありますが、代表的なものが「天日塩」です。天日塩は、海水を塩田(大きな浅い池)に引き込み、太陽の熱と風の力で少しずつ水分を蒸発させて作ります。水分が減って濃くなった海水から塩の結晶ができたら、それを集めて乾かします。
このほか、海水を煮詰めて作る方法(平釜塩など)や、天日で濃くした海水を釜で煮詰める方法などもあります。作り方や産地、その土地の気候によって、粒の大きさや口当たり、塩味の感じ方が変わるのも、海塩の楽しみのひとつです。
海塩と一般的な食塩の違い
スーパーなどで売られている一般的な「食塩」も、実は多くが海水や、海外で作られた天日塩を原料にしています。日本では、海水をイオン交換膜という方法で濃くしてから煮詰めて作るのが一般的で、塩化ナトリウムの割合がとても高い(99%以上)のが特徴です。
一方、海塩の中でも天日塩や平釜塩などは、にがり成分が残りやすいため、塩化ナトリウムの割合がやや低くなります。その分、塩味がまろやかに感じられたり、ほのかな甘みや苦みを感じたりと、味わいに個性が出やすくなります。
どちらが良い・悪いということではなく、すっきりとした塩味で味を決めやすいのが食塩、塩そのものの風味を楽しみたいときに向くのが海塩、というように使い分けるのがおすすめです。なお、塩の種類にかかわらず、とりすぎには注意しましょう。
海塩の選び方と注意点
海塩を選ぶときは、まずパッケージの表示を確認しましょう。原材料名(海水など)や、工程(天日、平釜、焼成など)、産地が書かれているので、作り方の違いを知る手がかりになります。
次に、粒の大きさや形も選ぶポイントです。粒が大きい粗塩は、焼き魚やステーキなどにふりかけて、塩の食感を楽しむのに向いています。粒の細かい塩は、スープや煮物、下味などにとけやすく、使いやすいのが特徴です。料理に合わせて使い分けると良いでしょう。
岩塩や精製塩、再製塩とも比べて選びたい方は、塩の種類と料理別の使い分けを解説した記事も参考にしてください。
また、にがり成分が多い塩は湿気を吸いやすく、固まりやすい性質があります。保存するときは、密閉できる容器に入れ、湿気の少ない場所に置きましょう。固まってしまった場合は、フライパンで軽く炒るとさらさらに戻しやすくなります。
海塩の基本的な使い方
海塩は、ふだんの塩と同じように、下ごしらえから仕上げまで幅広く使えます。
肉や魚に、焼く前に軽く塩をふって少し置くと、表面の水分と一緒に臭みが抜けやすくなり、味もなじみやすくなります。出てきた水分は、キッチンペーパーでふき取ってから焼きましょう。
料理の仕上げに、サラダや焼き野菜、ゆで卵などにひとふりするのもおすすめです。粒の大きい海塩を使うと、塩の食感と味わいがアクセントになります。食卓に小皿で海塩を置いておけば、食べる人がそれぞれ好みの量で味を調えられます。
塩は、野菜の浅漬けや、みそ・ぬか漬けなどの漬物づくりにも欠かせません。野菜に塩をまぶすと水分が抜けて、数時間ほどで浅漬けとして食べられます。ぬか漬けやみそなどの発酵食品は、塩が雑菌の増えすぎをおさえる中で、乳酸菌や麹の働きによって数日から数か月かけてできあがります。
料理別の簡単レシピ
焼き魚
白身魚や鮭などの切り身の両面に、海塩を軽くふって15分ほど置きます。出てきた水分をキッチンペーパーでふき取り、魚焼きグリルで8〜10分ほど、中まで火が通るまで焼きます。お好みでレモンやすだちを添えると、さっぱりといただけます。
焼き野菜
パプリカ、ズッキーニ、なすなど季節の野菜を一口大に切り、オリーブオイル、海塩、黒こしょうをからめます。180℃に温めたオーブンで15〜20分ほど、焼き色がつくまで焼けば完成です。そのままでも、サラダにのせても楽しめます。
きゅうりの浅漬け
きゅうりを薄切りにし、きゅうり1本(約100g)に対して海塩小さじ1/3ほどをまぶして、軽くもみます。冷蔵庫で1〜2時間ほど置き、出てきた水分を軽くしぼれば、箸休めにぴったりの浅漬けになります。作った浅漬けは冷蔵庫で保存し、早めに食べきりましょう。
まとめ
海塩は、海水の水分を蒸発させて作る塩で、にがり成分がわずかに残ることで、まろやかさや、ほのかな甘み・苦みなど、塩ごとの味わいの違いを楽しめるのが魅力です。
パッケージの表示で作り方や産地を確かめ、粒の大きさを料理に合わせて選ぶと、いつもの料理でも塩の違いを感じやすくなります。湿気に気をつけて保存し、下ごしらえから仕上げまで、海塩を上手に使い分けてみてください。